続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
「は、は、はじめまして。私、三光銀行ミッドタウン支店の支店長、佐藤敏夫です。も、申し訳ございません。先程のは、言葉のあやと言いましょうか」


冷や汗をかいているカッパおやじは、ハンカチで
頭上の皿を拭き始める。
俺と大和は思わず顔を見合わせて、笑いをこらえるのに必死だった。




「あなただけではありませんね。あなたの娘さんも、私の娘に関する事実でない虚偽の情報を社内メールで流しましたよね? さらに、私の娘をストーキングするかのように、写真も撮りましたよね? これは犯罪ですよ。伊集院先生にお願いして、法的措置をとっていただきます。あとあなたのような方がいる銀行とは、今後一切ビジネスをしたくありません。現在、私の秘書があなたの銀行で手続きを進めているはずです。三光銀行の会長にも連絡が行っていると思います。私の会社、妻のクリニック、娘の会社、そして我が家は、あなたのせいで三光銀行から手を引くことになります。まあ、我が家と私たちの会社が手を引いても、そちらには影響はないでしょうね? 何せ我が家は、どこの馬の骨かも分からない人間ですから」
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