続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
その後、佐藤敏夫と佐藤麻茉が入ってきた。

隣の美愛ちゃんが、何となく震えているようだ。

俺は彼女の左手に指を絡めて繋ぐ。


「美愛ちゃん、左手で俺と手を繋ごう。俺たちみんなで美愛ちゃんを守るから、ゆっくり呼吸しよう」


初めに佐藤敏夫が謝罪をしたが、真の張本人の

佐藤麻茉は、不貞腐れて横を向いている。


せっかくジョセフさんがチャンスを
与えてくれたのに。やはり佐藤一家を徹底的に
叩き潰そう。


「娘の麻菜は、全く反省していないようですね?」


涼介も俺と同じ考えのようだ。


この時、美愛ちゃんは涼介のシベリアよりも冷たい声を聞いて、思わずビクッとした。

そうか、彼女は知らないのか。

かつて涼介は、「女嫌いの冷酷弁護士」や「冷酷王子」と呼ばれていたことを。
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