続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
「美愛ちゃんが思っていること、あの日感じたこと、俺に対してのこと、すべて聞かせてほしい。どんなことでも受け止めるから、たとえそれが罵倒であっても」


躊躇している美愛ちゃんに、もう一度優しく伝える。


「全部受け止めるから、美愛ちゃんが思っていること、今思っていることすべてを俺に受け止めさせて。覚えている、コミュニケーションを大切にすること?」


少しして、彼女がいつもより小さな声で話し始めた。


「き、昨日、今まで聞いたこともない冷たい声と、見たこともない冷たい表情の雅さんに......」


突然、みぞおちを手で押さえ、苦しそうな表情でうつむいた美愛ちゃんの頭を優しく撫でながら、ゆっくり深呼吸するように促した。

本当にごめん、俺のせいで。
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