続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
本当はこんなことをしたくないけれど、お風呂に入っている今のうちに、寝室の彼のクローゼットへ行き、さっきまで着ていた上着を手に取った。上着の右側からは雅さんの香水の香りが漂い、左側をチェックすると、左腕あたりからやはりあの香りが。
私は上着を元に戻し、Bon Bonを抱いて寝たふりをした。


今の私の気持ちを悟られてはいけない。
私の勘違いかもしれない。
でも、雅さんの顔は見たくない。


寝室に入ってきた雅さんは、いつものように私を抱きしめて寝る。
まるで何事もなかったかのように。
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