続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
私と一緒にこの一連の流れを見ていた仁さんに、震える声で尋ねてみる。
「......じ、仁さん、あの方が田島ペーパーの副社長さんですか?」
「......違う」
言いにくそうに、仁さんは教えてくれた。
「姫ちゃん、少し休んだ方がいいよ……
そこの喫茶室でも、俺のオフィスでも」
長身の仁さんが少し前かがみになり、申し訳なさそうで心配そうな表情で私を見つめている。
よほどひどい顔をしているのだろうか?
頭の中が真っ白というのは、こういうことなのだろう。何も考えられず、後ずさりしながら小さく首を横に振る。
周囲の喧騒が反響しているように聞こえ、仁さんが私に話しかけてくれているが、何を言っているのか全く分からない。
踵を返して走り、外に出てタクシーを捕まえた。行き先は銀座。バックミラーには、小さくなっていく仁さんの姿が映っている。
「......じ、仁さん、あの方が田島ペーパーの副社長さんですか?」
「......違う」
言いにくそうに、仁さんは教えてくれた。
「姫ちゃん、少し休んだ方がいいよ……
そこの喫茶室でも、俺のオフィスでも」
長身の仁さんが少し前かがみになり、申し訳なさそうで心配そうな表情で私を見つめている。
よほどひどい顔をしているのだろうか?
頭の中が真っ白というのは、こういうことなのだろう。何も考えられず、後ずさりしながら小さく首を横に振る。
周囲の喧騒が反響しているように聞こえ、仁さんが私に話しかけてくれているが、何を言っているのか全く分からない。
踵を返して走り、外に出てタクシーを捕まえた。行き先は銀座。バックミラーには、小さくなっていく仁さんの姿が映っている。