続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
「少し長くなるんだけど......」


私は3週間前のプロポーズ以来、今までのことや腑に落ちないこと、さらに今日のホテル9での出来事も含めて、彼女に伝えた。


「私が一番悲しかったのは、雅さんにウソをつかれたこと。知っているだけで2回もね。帰ってきたとき、女性用の香水がスーツのジャケットに移って。彼のスーツの左側からは、2回とも同じ香りが漂っていた。今日、ホテル9で雅さんと腕を組んでいた時、彼女は雅さんの左側にいたの。あのね、あのねようちゃん......私と雅さんは……まだエッチしていないんだ」


私の発言に、彼女は思わず飲んでいたサワーを吹き出してしまった。


「ご、ごめん。思わず吹き出しちゃったよ。ちょっとティッシュ、ティッシュ。
............あんたたち、どんな関係なのさ?」

「まだキスだけ。あとは一緒に寝るけれど、ただ抱きしめて寝るだけ」


口をあんぐり開けて、しばらく固まっていたようちゃん。
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