続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
初めて聞く雅さんの、地を這うような怒鳴り声に驚いたが、それ以上に私のことを庇ってくれたことが、何よりも嬉しかった。


呆然としている非常識いよりを差し置いて、紫道さんが再び頭を深く下げ、雅さんと私に謝罪した後、非常識いよりを連れて出ていく。


「け、圭衣ちゃん、ごめんね。圭衣ちゃんのお友達なのに。で、でも......」


いくら私に対して非常識な態度をとったとしても、やはり圭衣ちゃんのお友達。私のせいで圭衣ちゃんとの友情にヒビが入ってしまうのでは?


「フッ、よく言ったわ。心配しないで。美愛ちゃんが言ってくれたおかげで、スッキリしたわ。実は、私は元々紫道と友達だったのよ。それに以前から、いよりの言動には紫道も手をこまねいててね。いよりのせいで、顧客が離れることもあるし。後は紫道が決めることよ」


圭衣ちゃんは、私とようちゃんを二人いっぺんに抱きしめる。


「も〜、あなたたち大好きだよ。葉子もやっと帰ってこれたし、美愛も無事だったし!」

「く、苦しいよ、圭衣......ってかさ、あんたが私にアメリカの後処理をさせたんでしょうが! まあ、収まるところに収まってよかったよ。んじゃあ、私はホテルへ戻るよ。明日から実家でお世話になるけど」


すかさず仁さんが、ようちゃんを車で送ると言い、圭衣ちゃんが私たち三人をマンションまで送ってくれた。
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