続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
言いにくいし、聞きにくい。
でも、彼が言っていたことは正論だ。
 

それに、この話題を始めたのは私だし、『このままじゃ結婚できない』と言ったのも私だ。


彼の目を見て話そうとするが、うまく言葉にできず、ただ口を開けたり閉じたりするだけの繰り返し。雅さんは、そんな私を辛抱強く待っていてくれている。


どうして私は肝心な時に、いつもこうなってしまうのだろう?どうして圭衣ちゃんやようちゃんのように、うまく立ち回れないのだろう?こんな自分が嫌になってしまう。


彼の胸に顔を埋め、手を背中に回して彼を抱きしめた。久しぶりに触れる雅さんの温かく広い胸元と彼の香りに、安心感を覚えたのか、不意に涙が溢れる。
 

雅さんは私の頭に軽く顎を乗せ、優しく背中をさすってくれた。


「ゆっくりでいいから」


雅さんに優しくされればされるほど、自分の不甲斐なさが目立ち、居た堪れなくなる。


ねぇ、私はどうしたいの?
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