続お菓子の国の王子様 結婚に向けて
「じゃあ、私はお飾りじゃないの?」


雅さんはゆっくりと大きく首を横に振った。


「美愛ちゃんはお飾りなんかじゃない。それに、もう嘘はつかない。何でも相談するから」


私はこくりと頷いた。


「よかった。もう一度言わせて。花村美愛さん、俺と結婚して、一緒に子供たちの父さまと母さまになって、お菓子屋を開いてください」


雅さんはベルベットの箱を開け、指輪を差し出す。


今なら言える、ずっと言いたかったこと。
小さい頃から願っていたことが叶う。


「はい、よろしくお願いします」


私の左薬指に輝く、世界でたった一つの指輪。雅さんが私のために作ってくれた指輪。


私たちはいつもの触れるだけのキスよりも、熱くて甘い濃厚な口づけを初めて交わし、彼との大人の口づけに私は酔いしれた。

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