The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
その日から、俺達はハバナと行動を共にすることが増えた。

「ハバナ、皆でお昼行きましょうよ」

「…」

大抵、誘うのはミューリアだ。

そしてハバナは、断る理由がないときは、必ず付き合っていた。

こうして俺達は、五人で連れ立って、学生食堂に向かった。

「ハバナさん、今日の日替わりランチ、何でしょうね」

「…さぁ」

厄介なのは、ハバナのこの頑なさである。

この数日間、俺はさりげなくハバナに話しかけているのだが。

大抵、この反応。

つまらなさそうで、興味もなさそう。

彼女にしてみれば、俺はクラスメイトの一人、でしかないのだろうな。

こんなにつれない態度をされると、ルレイアとしてのプライドが傷つくのだが。

しかも、腹が立つことに。

「昨日は豚カツ定食だったよな…。じゃあ、今日はしょうが焼きかな?」

アシベルがこんなことを言うと、

「二日連続で豚肉になるから、しょうが焼きではないんじゃない?」

ハバナはこの返事。

俺が話しかけるより、明らかに言葉が長い。

露骨過ぎやしないか。アシベルを利用したいのは分かるが。

歩いて学生食堂まで向かい、日替わりランチのメニューを確認する。

「あ、今日は…アジフライ定食だって」

結果、答えは肉ですらなかった。

「えぇ!肉じゃないの~?…じゃあ今日は日替わりランチやめて、カツ丼にしよっと」

「二日も続けて豚カツ食べてたら、太るわよ?」

「あ、そっか…。じゃあ牛丼で」

照れ隠しに笑うアシベルを、微笑みながら見つめるハバナ。

…これは、相当やばいな。

エルスキーもミューリアも顔がひきつってる。

俺とハバナをくっつけようと、ハバナをグループに引き入れたのに。

アシベルと仲良くなりつつある。

アシベルもアシベルで馬鹿だから、自分はちょっと引いて、俺をプッシュしようとはしない。

そこまで気の回る人間ではない。

…この女、アシベルと寝ろと言われたら寝そうな勢いだな?

「ハバナさんは何にするんですか?」

負けじと、にこやかに尋ねたのだが。

「…私は日替わりランチにするわ」

俺に対しては、明らかに声が低い。

「じゃあ俺もそれにしますね」

「そう」

この俺が、こんなに気を使っているというのに。

それに気づきもせず、この態度。

俺のハーレムの女が見たら、なんと生意気なことを!とぶちギレるだろうな。
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