The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…随分と信用しているようだが。貴殿はルレイアの人質としてそんなに有効なのか?彼が、貴殿など殺されても構わないと言えば…」
「それは有り得ない。フィアンセが人質なんだ。あいつにとってはこの上なく有効な人質だ」
「そういえば、この騒動が終わったら貴殿らは結婚するんだったな」
「…」
それは…忘れて欲しいのだが?
「…とにかく、俺はルレイアへの人質としては完璧だ。もし万が一、ルレイアがお前達を裏切ったなら、俺を殺せば良い。それでルレイアは完全に無力化する」
俺が死ねば、ルレイアは生きる意味をなくすだろう。
ルレイアが死んだら、俺がそうなるように。
「…成程…。検討に値するな」
「即決しないのか?」
「さすがに時間が欲しいな。一週間ほどは」
「好きにしろ。ただ…出来るだけ早く決めてくれ」
「『シュレディンガーの猫』が『青薔薇連合会』との共闘の申し立てを拒否したら、その場合はどうなる?」
あぁ。まぁその可能性はあるな。
ルレイアは、『猫』共が断る理由はないと言っていたが。
「その場合、この話はなかったことになるだけだ。いずれにしてもお前達との協力関係は変わらない」
「そうか」
考えてみれば、おかしな話だ。
どう転んでも、こんなに策を講じても、帝国騎士団と組む事実に変わりはないのだから。
全く。このことを一般の帝国民が知ったら、腰を抜かすだろうな。
「返事をするまで、貴殿は拘束させてもらうが、それで良いな?」
「あぁ…。独房でも拷問部屋でも、好きなところに入れてくれ」
抵抗するつもりはない。手錠をかけられても文句は言わない。
ひとまずオルタンス達が結論を出すまで、俺は待つだけだ。
…ルレイア。これで、良かったんだな。
心の中で、俺は彼のことを思った。
恐らく今も危険に身を投じているに違いない。彼は今頃、何をしているのだろうか…。
「それは有り得ない。フィアンセが人質なんだ。あいつにとってはこの上なく有効な人質だ」
「そういえば、この騒動が終わったら貴殿らは結婚するんだったな」
「…」
それは…忘れて欲しいのだが?
「…とにかく、俺はルレイアへの人質としては完璧だ。もし万が一、ルレイアがお前達を裏切ったなら、俺を殺せば良い。それでルレイアは完全に無力化する」
俺が死ねば、ルレイアは生きる意味をなくすだろう。
ルレイアが死んだら、俺がそうなるように。
「…成程…。検討に値するな」
「即決しないのか?」
「さすがに時間が欲しいな。一週間ほどは」
「好きにしろ。ただ…出来るだけ早く決めてくれ」
「『シュレディンガーの猫』が『青薔薇連合会』との共闘の申し立てを拒否したら、その場合はどうなる?」
あぁ。まぁその可能性はあるな。
ルレイアは、『猫』共が断る理由はないと言っていたが。
「その場合、この話はなかったことになるだけだ。いずれにしてもお前達との協力関係は変わらない」
「そうか」
考えてみれば、おかしな話だ。
どう転んでも、こんなに策を講じても、帝国騎士団と組む事実に変わりはないのだから。
全く。このことを一般の帝国民が知ったら、腰を抜かすだろうな。
「返事をするまで、貴殿は拘束させてもらうが、それで良いな?」
「あぁ…。独房でも拷問部屋でも、好きなところに入れてくれ」
抵抗するつもりはない。手錠をかけられても文句は言わない。
ひとまずオルタンス達が結論を出すまで、俺は待つだけだ。
…ルレイア。これで、良かったんだな。
心の中で、俺は彼のことを思った。
恐らく今も危険に身を投じているに違いない。彼は今頃、何をしているのだろうか…。