The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
シトウ・フルフレース。

総帥の右腕であり、『シュレディンガーの猫』のNo.2である女性だ。

「そうですね…。悪くない提案だとは思いますが」

シトウは私をちらっと見て、口許だけ歪めて私を嘲笑った。

「とはいえ、総帥の仰る通り、罠である可能性がありますね。ここは一つ…そのルレイアとかいう男と直接会って、真意を確かめられたらどうでしょう」

「成程…。それが妥当だな」

総帥が、直接ルレイアに会う?

私はそれを聞いて、寒気がした。

やめた方が良い。直感的にそう思ったのだ。

「お、お待ちください。総帥があの男と直接会うなど…」

咄嗟に抗議の声をあげようとしたが、射殺されんばかりの総帥の眼光に、私は言葉を失った。

「…お前に拒否権はない。カセイ、ひとまずこの場ではお前を生かしてやる。現状ルレイアとやらにコンタクトを取れるのはお前だけだからな。今すぐに動け。良いな?」

「…はい。畏まりました」

私は深々と頭を垂れた。そうする以外にはなかった。

…この場では、殺されずに済んだ。

けれども…この後は…。
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