The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

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 Ⅰ (11/39)

昼休み。

俺は、エルスキーやアシベルと一緒に、食堂に向かっていた。

「あ~お腹空いた。遅刻ギリだったから、朝ほとんど食べられなかったんですよ、俺」

俺は大袈裟にお腹を擦りながらそう言った。

今朝俺が食べたものと言えば、バナナを一本。これだけである。

朝にバナナとは。別にダイエットしている訳じゃない健全な男子高校生が、バナナ一本で朝食を済ませるなんて。

「お前が早く起きねーからだろ。何なら朝、携帯鳴らしてやろうか?」

「無理無理。携帯鳴ったくらいじゃ絶対起きない自信があります」

「…胸張って言うなよ…」

エルスキーは溜め息をついた。呆れているようだ。

だって仕方ないじゃないか。起きられないんだもん。

「パン咥えてくれば良いじゃん。なんか運命的な出会いあるかもよ?」

そして、他人事だと思って茶化すアシベル。

「何と出会うんですか」

「美少女お嬢様とか?」

おぉ、それは良いかも。

「じゃあ俺、明日から食パン咥えて登校しますよ」

「やめとけ。お前が食パン咥えて出会えるのは、野良猫くらいだ」

エルスキーがひっどい。

いやいや、でも野良猫出会えたら可愛いし。

そんなことを話しながら、食堂に到着する。

「今日の日替わりランチ何ですか?」

毎日一律500円。ワンコインでそこそこのボリュームで食べられる日替わりランチは、俺達学生の心強い味方である。

そのぶん、メニューがいまいちだった日はちょっとブルーになる。

しかし。

「チキンサルサ定食だって」

「おぉ、今日は当たりですね」

「だな」

昨日の日替わりランチは煮魚定食だったからな。ガッツリ食べたい男子高校生にはちょっと残念なメニューだった。

煮魚好きな人ごめんなさい。

俺とエルスキーは、迷わず日替わりランチを頼もうとしたのだが。

「えぇ~!でも俺、昨日チキン食べたんだよなぁ…。何にしよ」

アシベルの昨日の献立は、チキンであったらしい。

「午後、身体強化訓練の授業あるから、ガッツリ食っといた方が良いぞ」

エルスキーのアドバイスで、俺は思い出した。

そうだった。午後はその授業が入ってたんだった。

やだなぁ…あれは疲れる。

「うーん…。よし、じゃあカツ丼定食にしよっと」

アシベルの今日のランチは、カツ丼定食に決まった。

カツ丼に加えて、ミニうどんもついているお得な定食である。

全員メニューが決まったので、券売機で食券を買い。

食堂のおばちゃんにランチをもらって、俺達は席についた。







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