The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
オルタンスが去ってから、俺はルレイアから送られてきたメールを改めて読んだ。

ラブレターだの浮気するなだのは置いておいて…。

…『猫』は、ルレイアの誘いを受けるのか。

覚悟していたこととはいえ、さすがに緊張もする。

これから、ルレイアの計画が本格的に動き出すのだ。

『シュレディンガーの猫』を騙し、帝国騎士団を陥れる振りをする。

その裏では帝国騎士団と協力して、『シュレディンガーの猫』を陥れる。

非常に繊細な仕事だ。何一つボロがあってはならない。ほんの少しのミスが命取りになる。

そんな危険の中に、ルレイアは自ら飛び込んでいったのだ。

そして、俺も。

…もしルレイアの計画が上手く行かなかったら、俺もただでは済まない。

同盟関係にあるとはいえ、帝国騎士団は元々俺達の宿敵。そして、俺はその宿敵の巣の中に囚われている人質。

安全な立場とは程遠い。

それでも、どんな運命に転がろうとも…俺は受け入れるつもりだった。

ルレイアが堕ちていくなら、俺は何処にでも堕ちよう。

一人にはしない。絶対に。

「…上手くやれよ、ルレイア」

俺は、大事な相棒のことを思った。今すぐに会えたら、どんなに良いだろうと。




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