The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
放課後。

俺はいつも通りハバナを誘って、一緒に帰ることにした。

だって、ほら。こうやって放課後デートということにしておけば、エルスキー達に誘われずに済むし。





「ったく…。あの不毛な連中の腹立つことと言ったら。あまりにも馬鹿だし無能だし、ぶっ殺したくなりますね」

「…」

校舎を出るなり毒を吐く俺を、ハバナは少し驚いたように見ていた。

「…いつもは楽しそうに見えるけど。本当はそんな風に思ってたのか」

「他にどんな風に思うんですか。大体世代的にも合わないですよ。俺が何歳だと思ってるんですか」

「特殊メイクをしてたことも、気づかなかった。昨日見て初めて気づいた」

あぁ。昨日は素の姿で…ルレイアとして行ったからね。

「それで…創立記念日のデートだが、あれ、本当に行くのか」

「あ?別に行かなくても良いですよ。あんなの口約束ですし」

学校ではしっかり恋人の演技に付き合ってもらうが、休日のことまで付き合わせるつもりはない。

休みの日くらい、ルレイアとして過ごしたいというのも本音だ。

「でも…多分その翌日に、色々聞かれると思うが。昨日どうだったって…」

「うわぁ…。絶対聞かれる。うざっ」

特にアシベル辺り。あいつ暗殺してやろうかね、マジで。

何だって人のことに首突っ込んでくるんだか。

「じゃあどうします?行きます?一時間くらいでも、既成事実作っとけば良いでしょう」

「分かった。予定を空けておく」

「…何だか、随分と素直ですね」

あの頭の固い猫ちゃんが、こんなに素直だと逆に不気味なんだけど?

もしかして、今も演技してる?まさかな。

そんなことが出来るほど器用じゃないことは既に知っている。

「勘違いするな。監視の意味も含んでいる。それに…一度総帥がお前達と組むと決めたからには、その指示に従うだけだ」

「ふーん…」

ツンデレ属性か。好みじゃないんだけど。

まぁ、従順なのは良いことだ。逆らわれるよりずっと良い。

「じゃあ創立記念日は…二人でデートでもしますか」

「あぁ」

何の色気もないデートだが、これもスパイ活動の一環。

我慢しないことに、仕方あるまい。
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