The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

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 Ⅰ (12/39)

日替わりランチのチキンサルサ定食を食べながら。

俺達は、飽きることなくお喋りを続けていた。

「今日の身体強化訓練、何だろうなぁ」

「走り込みはやめて欲しいですね」

「あれ本当しんどいもんね~」

俺達が話題にしているのは、午後一杯行われる身体強化訓練の授業について。

ランドエルスは校風は緩いとはいえ、一応騎士官学校の端くれなので、それなりの訓練はする。

そのうちの一つが、この身体強化訓練だ。

やることは、一言で言うと…体力作り、である。

体力作りと言えば簡単だが、その内容は、どの生徒からも不評を買っていた。

というのも、かなりしんどいのだ。

長距離マラソンだったり、ウエイトトレーニングだったり。

学校付属の50メートルプールでひたすら泳がされることもある。

今日は…何だろうなぁ。

きついのじゃなければ良いのだが。

「あれをやると、明日筋肉痛が酷いんだよ~…」

「ちゃんと筋肉マッサージしてます?アシベル」

「してもなるじゃん」

いや、なるけどさ。

マッサージしてると、随分ましになるだろう?

「この間のとか、マジきつかったもんな。バーベル上げさせられたとき」

「あ~…」

エルスキーに言われて、俺はあの訓練を思い出した。

おもた~いバーベルを持ち上げさせられて、俺の腕はもげたかと思った。

「翌日、腕上がらなくなったもんな」

「地獄でしたよ…」

人生であんなに酷い筋肉痛を味わったことはないってくらい痛かったもんな。

俺だけじゃなくて、クラス皆そうなってた。あまりに痛いから、皆で教官に抗議に行こうかって話し合ったくらいだ。

それなのに教官と来たら、筋肉痛でしかめっ面してる俺達に向かって、けらけらと笑いながら、

それが治る頃には腕が太くなってるだろうよ、と抜かしやがった。

別に嫌みではない。そういう教官ではない。

あまりに俺達がぶすむくれているから、その次の身体強化訓練は、比較的優しいメニューにしてくれた。

こんなことをされると、俺達も許さない訳にはいかない。

「ほら、さっさと食おうぜ。着替える時間なくなる」

「あ、本当だ」

そんな過去のことを思い出して、手が止まってしまっていた。

身体強化訓練の授業では、全員体育着に着替えなければならない。

ノロノロ食べていたら、遅れてしまう。

俺は、チキンサルサ定食を急いで口に入れた。

しかしこのチキンサルサ、全然美味しくないな。





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