The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
兄がいなくなって一ヶ月もしなかったと思うが、今度は私のすぐ下の弟が、病気にかかった。
末の妹が両親に絞め殺されたことを知っている弟は、ギリギリになるまで病気であることを隠していたようだが…当然、隠しきれるものではなかった。
床に臥せって、殺さないでくれと懇願する弟を…それでも、生かしておくことは出来なかった。
弟が眠っているときに、両親は弟も絞め殺した。
もう可哀想とは思わなかった。仕方ないことだ、と割り切るしかなかった。
明日は我が身だ、と思っていた。
自分が死ぬかもしれないという境地に立たされても、私は冷静だった。
死にたかった訳ではない。生きてはいたかった。生きていたいけど…どうすることも出来ないのなら、死ぬしかなかった。
妹と弟が死んだ。私もいつ感染するか分からない。
けれども私が怖かったのは病気ではなく、餓えの方だった。
病気になれば楽に殺してもらえるが、飢え死にだとそうはいかない。じわじわと死を待つのは、耐え難い苦しみだった。
そして、その時は刻一刻と、確実に近づいていた。
末の妹が両親に絞め殺されたことを知っている弟は、ギリギリになるまで病気であることを隠していたようだが…当然、隠しきれるものではなかった。
床に臥せって、殺さないでくれと懇願する弟を…それでも、生かしておくことは出来なかった。
弟が眠っているときに、両親は弟も絞め殺した。
もう可哀想とは思わなかった。仕方ないことだ、と割り切るしかなかった。
明日は我が身だ、と思っていた。
自分が死ぬかもしれないという境地に立たされても、私は冷静だった。
死にたかった訳ではない。生きてはいたかった。生きていたいけど…どうすることも出来ないのなら、死ぬしかなかった。
妹と弟が死んだ。私もいつ感染するか分からない。
けれども私が怖かったのは病気ではなく、餓えの方だった。
病気になれば楽に殺してもらえるが、飢え死にだとそうはいかない。じわじわと死を待つのは、耐え難い苦しみだった。
そして、その時は刻一刻と、確実に近づいていた。