The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

…と、まぁ。長くなったが。

あれから私はアイズレンシアとして、アシュトーリアさんと『青薔薇連合会』に、多大な貢献をしてきたつもりだ。

彼女の役に立つ為に、ありとあらゆる知識を身に付けた。

そして今、私はアシュトーリアさんの右腕として、『青薔薇連合会』の実質的No.2の座にまで上り詰めた。

別に地位が欲しい訳ではないが、このまま行けば私は、次期首領になるそうだ。

世襲制じゃなかったんですか、と尋ねたところ、アシュトーリアさんの返事は、

「あら、世襲制よ？アイズは私の息子なんだから、何の問題もないわ」とのことであった。

彼女が我が息子と言えば、それで息子になるらしい。

そんな適当な世襲制で良いのかと思うが、今となってはアシュトーリアさんに反発する勢力もなく、私の手腕は組織の者達も認めてくれているようなので、今のところ反対意見は見られない。

私の他に首領に相応しい人物として、ルレイアを始めとして、ルルシーやシュノ、アリューシャ…はちょっと馬鹿だから除外するが、彼らの存在もいるというのに。

彼らに、首領になりたいか聞いたことがある。

そのときの彼らの返事は、

シュノは「アイズ以外には有り得ない」ときっぱり言った。

ルルシーは「俺は器じゃない」と言った。

首領候補筆頭であるはずのルレイアは、めちゃくちゃ興味無さそうに「俺の目指す未来はルルシーとのゴールインだけなので、首領とかはどうでも良いですね。アイズやってください」と言った。

ちなみにアリューシャにも聞いてみたが、「は？アリューシャそんな面倒臭いことしたくない。アイ公やって！」とのことだった。

なんとも欲のない幹部達である。

多分皆、アイズがいるんだからアイズがやれば良いじゃん、って考えなんだと思う。

そして同時に…私なら上手いことやってくれる、と信じてくれているのだろう。

ならば、私に出来ることは一つだけ。

彼らの期待に…応えること、だ。