The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
まぁ、それはともかく。

「ユーシャさんは、何処で服買うんですか?」

男性が女物の服を買うのは、眉をひそめられるのに。

女性が男物の服を買うのは、ちっとも咎められないって。

世の中って不公平だよな。男も平気でスカート履ける世の中になるべきだと思うよ俺は。

まぁ、俺は履かないがな。

「私は…お兄様に貸してもらおうかなと思って」

あ、聞かなきゃ良かった奴だ。

「うちのクラス、文化祭で『女装・男装コンテスト』するのってお話ししたら、お兄様が服を貸してくれるって。でも今のお兄様の服だと私には大きいから、お兄様が昔着てた服なの。俺が昔着てた服をお前が着てると、なんだか照れ臭いなって、お兄様言ってたわ」

ふふふ、と微笑ましいことを思い出したかのように言うユーシャ。

どうしよう。キモい通り越してグロいんだけど。俺だけ?

「…どんな感じの服なんですか?」

「お兄様が昔、剣のお稽古のときに着てた服なの」

つまり、シューレンの汗とかキモいエキスがたっぷりと染み込んだ服ってことだな。

そんなの着るくらいなら、ぼろ布巻き付けてた方が遥かにましだ。

文化祭当日、ユーシャの傍に近づかないようにしなければ。最悪吐く。

グロ画像だグロ画像。モザイクかけろよマジで。

「文化祭、楽しみね」

ユーシャは、本当に嬉しそうに俺にそう言った。

もうこの時点でゲロりそうだけど、同じように微笑みを返さなければならないのがルナニアの辛いところ。

「えぇ、そうですね~」

あぁ、家に帰りたい。家に帰って、ルルシーの画像を食い入るように見つめたい。

ここいらでそろそろ保養をしなければ、俺の目が腐りそうだ。
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