The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
憎い。許せない、ね。
そうだろう。俺も同じだ。
何をされても、どんな謝罪を受けようとも、絶対に許せない。
俺の人生を…最初に狂わせた男のことを。
「でも…それとお兄様にどう関係が」
「あなたのお兄さんも、同じことをしていたんですよ。…いや、もっと酷かった。あなたがされたことより、100倍は残酷なことを…あいつは、平気でやってたんですよ」
晴天の霹靂だったのだろう。ユーシャは驚愕に目を見開いた。
「そんなこと…信じられないわ」
「あなたが信じるか信じないかなんてどうでも良い。俺は事実を言ってるんです」
証拠を見せろと言われても、彼女が納得するような証拠は何処にも残っていない。
俺の左手の傷。あれは学生時代じゃなくて、帝国騎士団に裏切られたときについた傷だからな。
シューレンに問い詰めたところで、あのクズ野郎が、それを認めるはずがない。
そもそも、覚えてすらいないだろう。
俺は一生忘れないけどな。
「どうして、お兄様がそんなこと…」
「知ったことか。生まれつきのクズなんですよ。そんなクズ兄貴を、優秀だと褒め称えるお前もな」
「…」
先程までの幸福など、一欠片も残ってはいなかった。
俺と思いを通わせる為にここに来た訳ではないことを、ユーシャも悟ったのだろう。
「その話を…どうして、私に…」
「俺はあの男が許せないんですよ。殺してやりたいほどあいつを憎んでる。あなたがいじめっ子のクラスメイトを憎むより、遥かに」
「…」
「でも、帝国騎士団をクビになって、権威も名声も地に落ちたと聞いて、俺はあいつがそのまま死んだと思っていました。貴族をやめさせられて、まともに生きていけるはずがありませんからね。…普通なら」
俺がそうだったように。
自殺するか発狂するか。どっちにしても恥にまみれて底辺を生きていると思っていた。
生き恥を晒して生きていけば良いと思っていた。
でも、違う。
奴は、頭の中お花畑みたいな家族に援助されて、今も平和に、呑気に生きている。
己の恥を、恥とすら思わずに。
そんなことは、断じて許せなかった。
そうだろう。俺も同じだ。
何をされても、どんな謝罪を受けようとも、絶対に許せない。
俺の人生を…最初に狂わせた男のことを。
「でも…それとお兄様にどう関係が」
「あなたのお兄さんも、同じことをしていたんですよ。…いや、もっと酷かった。あなたがされたことより、100倍は残酷なことを…あいつは、平気でやってたんですよ」
晴天の霹靂だったのだろう。ユーシャは驚愕に目を見開いた。
「そんなこと…信じられないわ」
「あなたが信じるか信じないかなんてどうでも良い。俺は事実を言ってるんです」
証拠を見せろと言われても、彼女が納得するような証拠は何処にも残っていない。
俺の左手の傷。あれは学生時代じゃなくて、帝国騎士団に裏切られたときについた傷だからな。
シューレンに問い詰めたところで、あのクズ野郎が、それを認めるはずがない。
そもそも、覚えてすらいないだろう。
俺は一生忘れないけどな。
「どうして、お兄様がそんなこと…」
「知ったことか。生まれつきのクズなんですよ。そんなクズ兄貴を、優秀だと褒め称えるお前もな」
「…」
先程までの幸福など、一欠片も残ってはいなかった。
俺と思いを通わせる為にここに来た訳ではないことを、ユーシャも悟ったのだろう。
「その話を…どうして、私に…」
「俺はあの男が許せないんですよ。殺してやりたいほどあいつを憎んでる。あなたがいじめっ子のクラスメイトを憎むより、遥かに」
「…」
「でも、帝国騎士団をクビになって、権威も名声も地に落ちたと聞いて、俺はあいつがそのまま死んだと思っていました。貴族をやめさせられて、まともに生きていけるはずがありませんからね。…普通なら」
俺がそうだったように。
自殺するか発狂するか。どっちにしても恥にまみれて底辺を生きていると思っていた。
生き恥を晒して生きていけば良いと思っていた。
でも、違う。
奴は、頭の中お花畑みたいな家族に援助されて、今も平和に、呑気に生きている。
己の恥を、恥とすら思わずに。
そんなことは、断じて許せなかった。