The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
しかし。

「鍵が!何で?何で開かないの!?」

部屋の鍵は開かない。外側から施錠されている。

「無駄ですよ。ここは俺のホームグラウンドですからね」

何の為に、帝国内のあちらこちらにホテルを建てたと思ってるんだ?

俺の指示がなければ、扉は開かない。窓もそうだ。

この部屋に、死以外の出口などない。

「さて、…それじゃ、さよならの時間にしましょうか」

「わ、私に何かあったら…あなたも捕まって…」

最期の抵抗のつもりか、ユーシャはそう言って俺を脅そうとした。

マフィアを脅すとは、なかなか斬新だな。

「復讐者に、理詰めが通用すると思います?あなたが死んだ後、俺と、それからあなたの兄がどうなるか…あの世で見ていると良いですよ」

あぁ、ついにこの瞬間が来た。

あの男に、復讐するときが。

「ユーシャ・ルフス・アイヒベルガー…。あなたは何も悪くない」

それなのに、俺に殺されるんだ。





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