The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…はぁ」

何もすることがないというのは、結構苦痛だな。

なまじ今まで…毎日忙しくしていたものだから、余計に。

それに最近、ルレイアにも会っていない。

こんなに長くルレイアと会わないのは…俺が帝国騎士団をやめたとき以来かな。

それから、ルレイアと再会して…それから先は、お互いの出張時を除いて、会わない日はなかった。

何だかんだで毎日顔を合わせていたし、ルレイアが誘ってくるものだから、しょっちゅう遊びにも行っていた。

…あんなんでも、会わなかったら寂しくなるもんだな。

こんなことルレイアに言ったら、有頂天になって、ルルシーは寂しん坊ですね~なんて言ってくっついてくるに決まっている。

ルレイア…。どうしているだろうな。

と、俺が考えていたそのとき。

こんこん、と部屋の扉がノックされた。

「失礼する」

「…」

ちらりと顔を向けると、そこにはルレイアの宿敵。

帝国騎士団長のオルタンスがいた。

「…何しに来た?」

「あぁ。暇だったんだ」

「…」

俺はルレイアと違って、オルタンスが何を考えているのか分からない。

だが、オルタンスが暇なはずがないと思うのだが?

何か裏があるのか、それとも適当に答えただけなのか…。

「…それで?暇を持て余した帝国騎士団長が何をしに…」

俺がそう言いかけたとき。

俺のスマホの着信音が鳴った。

メールの受信音である。

「…」

「…」

「…見ても良いか?」

「あぁ」

スマホを取り出し、メールを確認する。

アイズレンシアからのメールだ。

何かと思ったら、

『件名:目の保養に
本文:君の彼女の晴れ姿をどうぞ』

「…?」

何のことかと頭を捻っていると、添付の画像ファイルがついていることに気づいた。

画像を開いて、俺は思わず噴き出してしまった。

「ぶっ!」

「…?」

…何をやっとるんだ、あいつは。

その写真には、こてこてとフリルのついた黒いゴスロリワンピースに身を包み、笑顔でポーズを取るルレイアが映っていた。
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