The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
狙撃の技術は、全部シュスリーから習った。
きっとシュスリーは、覚えの悪いお馬鹿なアリューシャの為に、手取り足取り、懇切丁寧に教えたのだろう。と…思われるかもしれないが。
実は、意外にそうでもないのだ。
「よし。あそこの的を撃ってみな」
「…」
その日。アリューシャはシュスリーにそう指示された。
さすがのアリューシャも、これには返事が出来なかった。
撃ってみなって、お前。
「どうした?」
「どうしたじゃないよ」
実はこの日、アリューシャは初めてライフルの訓練を受けたのだ。
ライフルの基本的な扱い方の説明を簡単に受けて、その後言われたのが、この台詞だった。
「そんな説明だけで当たんないよ」
「当てなくても良いよ。ライフル触ったばかりの初心者が当てられるなんて毛頭思っちゃいないし」
おい。
「ほれ。まずは撃ってみなよ」
「…」
仕方なく、アリューシャはスコープを覗き込んだ。
数百メートル先に、弓道で使うような的があった。
あれに当てろと。
今でこそ、百発百中で鼻唄混じりに当てられるけど。
今日ライフルを触ったばかりのアリューシャには、とてもじゃないけど当てられなかった。
撃ちはしたけど、弾は的から遥か遠くに落ちた。
「あ、外した~」
シュスリーは何故か楽しそうだった。
外した~じゃねぇよ。何笑ってんだ。
「外すだろ、そりゃ」
「何回でもやって良いよ」
こっちもそのつもりだ。
アリューシャは撃った。撃ちまくった。
しかし、アリューシャの弾はちっとも的を掠めてはくれなかった。
…段々イライラしてきたな。
30分くらいたったところで、アリューシャは苛立ち混じりに立ち上がった。
「お?もうやめるの」
「腹立ってきた」
「堪え性がないなぁ」
アリューシャに堪え性がないのは、分かりきっていることだろう。
「何かこう…コツとかないの?」
こうすれば当たりやすいよ、みたいな。
だが、シュスリーの返事は簡素なものだった。
「ない。フィーリングだよ名無し君。頑張って当てな。いつか当たるようになる」
何っ…じゃそりゃ。
教え方が適当過ぎやしないか?
「…じゃあさ、せめてお手本見してよ」
頑張れとは言われても、その日既にアリューシャの乏しい集中力は切れてなくなっており、これ以上続けられるとは思えなかった。
だから代わりに、見て学ぼうと思ったのだ。
「良いよ」
断るかと思ったが、シュスリーは快諾した。
そして見せてくれたシュスリーの腕前は、アリューシャの目を点にした。
きっとシュスリーは、覚えの悪いお馬鹿なアリューシャの為に、手取り足取り、懇切丁寧に教えたのだろう。と…思われるかもしれないが。
実は、意外にそうでもないのだ。
「よし。あそこの的を撃ってみな」
「…」
その日。アリューシャはシュスリーにそう指示された。
さすがのアリューシャも、これには返事が出来なかった。
撃ってみなって、お前。
「どうした?」
「どうしたじゃないよ」
実はこの日、アリューシャは初めてライフルの訓練を受けたのだ。
ライフルの基本的な扱い方の説明を簡単に受けて、その後言われたのが、この台詞だった。
「そんな説明だけで当たんないよ」
「当てなくても良いよ。ライフル触ったばかりの初心者が当てられるなんて毛頭思っちゃいないし」
おい。
「ほれ。まずは撃ってみなよ」
「…」
仕方なく、アリューシャはスコープを覗き込んだ。
数百メートル先に、弓道で使うような的があった。
あれに当てろと。
今でこそ、百発百中で鼻唄混じりに当てられるけど。
今日ライフルを触ったばかりのアリューシャには、とてもじゃないけど当てられなかった。
撃ちはしたけど、弾は的から遥か遠くに落ちた。
「あ、外した~」
シュスリーは何故か楽しそうだった。
外した~じゃねぇよ。何笑ってんだ。
「外すだろ、そりゃ」
「何回でもやって良いよ」
こっちもそのつもりだ。
アリューシャは撃った。撃ちまくった。
しかし、アリューシャの弾はちっとも的を掠めてはくれなかった。
…段々イライラしてきたな。
30分くらいたったところで、アリューシャは苛立ち混じりに立ち上がった。
「お?もうやめるの」
「腹立ってきた」
「堪え性がないなぁ」
アリューシャに堪え性がないのは、分かりきっていることだろう。
「何かこう…コツとかないの?」
こうすれば当たりやすいよ、みたいな。
だが、シュスリーの返事は簡素なものだった。
「ない。フィーリングだよ名無し君。頑張って当てな。いつか当たるようになる」
何っ…じゃそりゃ。
教え方が適当過ぎやしないか?
「…じゃあさ、せめてお手本見してよ」
頑張れとは言われても、その日既にアリューシャの乏しい集中力は切れてなくなっており、これ以上続けられるとは思えなかった。
だから代わりに、見て学ぼうと思ったのだ。
「良いよ」
断るかと思ったが、シュスリーは快諾した。
そして見せてくれたシュスリーの腕前は、アリューシャの目を点にした。