The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
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Ⅰ (24/39)
「よく来てくれたわね、ルレイア。ルルシー」
俺達が部屋を訪ねると、アシュトーリアさんは笑顔で迎え入れてくれた。
相変わらずの穏やかな笑顔に、どうやら緊急事態が起きた訳ではないことが伺い知れた。
まぁ、そんなに急ぐ用件なら、大至急来いと伝えるよな。
「さぁ、お茶にしましょう。何を飲む?お土産にもらったマドレーヌがあるのよ。一緒に食べましょう」
そして、相変わらず用件を話す前にティータイムをご所望のようだ。
「わーいマドレーヌ。じゃあ俺は紅茶で」
「ルレイアは紅茶ね。ルルシーは?」
「ちょっと待ってください。お茶は良いので、仕事の話を先に…」
更に、相変わらずの真面目なルルシー。
そんなところも大好きである。
だから俺は相棒として、ルルシーの気持ちを代弁する。
「ルルシーも紅茶が良いそうですよ」
「あら、そう。じゃあ紅茶を用意するわね~」
「ちょ、ルレイアお前」
ルルシーは抗議しようとしたが、うきうきとマドレーヌをテーブルに並べるアシュトーリアさんを見て。
「…」
仕方なく、引き下がった。
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