The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
そして、今に至る。

「アイ公~。アリューシャと遊んで」

ゴキブリとして生まれ、名無し君になり、チビ公となって、ようやく人型のカカシになり。

そして、アリューシャ・ヘルフェンリッツという名前をもらって、人間になったアリューシャ。

随分出世したもんだなぁ。ここまでのクラスチェンジを遂げた奴って、アリューシャの他にいるの?

名前をもらって初めて人間になった。だからアリューシャはこの名前が大好きである。

「遊んでって…。昼寝するんじゃなかったの?」

「そう思ったけど、でも寝れなくてさ」

ルル公もルレ公もいないしさ。アリューシャと遊んでくれそうなのはアイ公しかいねぇ。

「…まぁ良いや。いても良いけど、ちょっと手伝って」

「ほーい」

アリューシャは相変わらず狙撃以外の取り柄がないので、手伝いと言っても大したことは出来ないが。

でも、それを恥じてはいない。シュスリーの…足首に及ぶくらいには、アリューシャも上手くなったから。

一つだけだけど、人に誇れる取り柄があるから。

だから、何にも恥ずかしくなんてない。

どういう因果か、アリューシャはあれから、『青薔薇連合会』の幹部にまで昇格した。

ここは良いところだ。面白い奴ばっかりいる。

皆何かしら取り柄がある。

頭が良い奴とか…料理が上手い奴とか…エロい奴とかさ。

…ん?エロって取り柄のうちに入る?

…まぁ良いか。

ともかくアリューシャは、ここが気に入っている。

偉くなりたいとも思わないし、面倒で小難しいことも考えられないから、そういうのはアイ公に任せておくとして。

アリューシャはアリューシャらしく、のんびりまったりとやっていくだけだ。
< 271 / 561 >

この作品をシェア

pagetop