The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「じゃあ、ティモニーは?どっちが良い?」

「そうだな…。僕も帝国騎士団について調べたら良いと思う。ベルガモット王家も勿論素晴らしいけれど、でも僕らは将来、帝国騎士を目指す身だからね。未来の職場について、少しでも詳しく知っておきたい」

はぁ、そりゃ結構なことで。

でもあそこ、労基もびっくりのブラック企業だぞ。

まぁそこそこ給料は良かったけどさ、それだって今の俺の収入ほどじゃないし。

何が儲かるって、『Iron Maiden』含む、風俗店。

風呂屋とかソープとか言われる、夜にだけ営業する不健全な店だ。

人間、三大欲求には勝てない生き物なんだなって実感する。

さて、話が逸れてしまったが。

「ミューリアさんは?どっちが良いと思う?」

「私もどっちでも良いから…じゃあ、帝国騎士団について調べましょうか。王家について調べるより、幅が広そうだし」

「さんせーい」

「決まりだな」

「…」

いつの間にか、うちのグループは帝国騎士団について調べることに決まってしまった。

は?あんなゴミクズ蛆虫の掃溜め集団について調べるとか、それどういう苦行?

とは思ったが、ベルガモット王家だって負けないくらいゲロみたいなもんだしな。

こういうのを、目糞鼻糞と言うのだ。

あぁ、嫌だ嫌だ。また口が悪くなってきてる。

俺は生来、もっと上品な人間のつもりだったのだが?

「じゃあ、大まかなテーマが決まったところで…もう少し詰めて、次はもっと具体的なテーマを決めましょうか」

「あぁ、むしろそこが肝心だよなぁ」

こうして、俺にとって不愉快な話が続いていく。
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