The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
帝国騎士団について調べるのは良いとして。
テーマが「帝国騎士団について」だけではあまりにも幅が広過ぎる。
政府について調べる、と言ってるようなもの。
政府と一口に言っても、色んな側面が複雑に絡まって、一つの国の政府が出来上がっている訳で。
帝国騎士団もそれと一緒だ。色んな糞みたいな側面があるのだから、それをどれかに絞らないとレポートにするのは難しい。
一つだけに絞るか、精々二つか三つくらい。
三つだと多いかもな。
とにかく、これを具体的に決めないことに、テーマがざっくりし過ぎてレポートにはならない。
「皆、何について調べたい?」
「…そうだな…」
もし許されるなら、奴らがいかに無能な猿の集団であるか、是非ともレポートにしたいところだが。
そうはいかないのが辛いなぁ。
もしそれをやって良いなら、今すぐにミューリア達には帰ってもらおう。
全て俺がやるから。レポートの作成も発表も討論も、全部俺がやるから。そんな楽しそうなこと、他の誰かに絶対譲らないから。
所詮は、叶わない夢だがな。
そもそも教師達がレポートを受け取ってくれないと思う。
「はいはい!良いこと思い付いた」
アシベルが挙手をした。
「何?アシベル」
「何でも良いんだよね?何言っても良い?」
「あんまり突拍子もないのは駄目だと思うけど…。まぁ、まずは案を出さないと始まらないわ。何でも言ってみて」
相変わらずリーダー気取りのミューリアに、俺はイラッと来るが。
鈍いアシベルは、ちっとも気にしてはいなかった。
「『帝国騎士は普段、職場で何を食べてるか』。これ良くない?」
「おぉー」
「なかなか面白そうじゃない」
何食べてるって。
期待してるところ悪いが、役職のついてない平騎士は、ランドエルスの学食と似たようなものしか食ってないぞ。
副隊長以上は良いもの食ってるんだろうと思ってるのかもしれないが、実際のところ、副隊長以上になると仕事がべらぼうに忙しいから、きちんと座って食事してる暇なんかほとんどない。
俺が現役の頃は…仕事しながら片手で食べられるサンドイッチとか、クレープとか、栄養機能食品とか、そんなものばっか食べてた。
現実なんてそんなもんだ。
すると次に、エルスキーがこう提案した。
「じゃあさ、『帝国騎士の制服の歴史』みたいなのも良いかもな」
「おぉー、良いね~」
うん。知らないんなら教えてあげるけど、残念ながら帝国騎士の制服のデザインは、設立当初から全く変わっておりません。
今も昔も、ダッサいまま。
今思うと、よくあんなダサい服、平気で着ていられたよな。
あんなの着るくらいなら、全裸でいた方がましじゃないか?
「じゃあ、こんなのどう?『帝国騎士の休日の過ごし方』」
「アシベルのところの叔父様はどんな風に過ごしてるの?」
「うーん…。休日でも仕事してるか、剣の稽古してる」
「さすが、帝国騎士の鑑だね」
俺に言わせれば、あいつはただの堅物のおっさんだがな。
休日の過ごし方なんて。平騎士ならそこらの一般帝国民の休日と変わらないだろうし。
役職つきの帝国騎士なら、俺のように生まれたときから帝国騎士になる為の訓練漬けで生きてきた者がほとんどだ。
だからそういう奴は総じて、娯楽というものを知らない。
なまじ剣の稽古やら、勉強ばかりしてきたものだから。
他に何をしたら良いのか、さっぱり分からないのだ。
アストラエアもその口だ。休日だというのに仕事や剣の稽古をしているのは、奴が帝国騎士の鑑だからではなく、それ以外の楽しみを知らないからだ。
そんなつまらない人間の集まりなのだと、こいつらには分からないだろうけどさ。
テーマが「帝国騎士団について」だけではあまりにも幅が広過ぎる。
政府について調べる、と言ってるようなもの。
政府と一口に言っても、色んな側面が複雑に絡まって、一つの国の政府が出来上がっている訳で。
帝国騎士団もそれと一緒だ。色んな糞みたいな側面があるのだから、それをどれかに絞らないとレポートにするのは難しい。
一つだけに絞るか、精々二つか三つくらい。
三つだと多いかもな。
とにかく、これを具体的に決めないことに、テーマがざっくりし過ぎてレポートにはならない。
「皆、何について調べたい?」
「…そうだな…」
もし許されるなら、奴らがいかに無能な猿の集団であるか、是非ともレポートにしたいところだが。
そうはいかないのが辛いなぁ。
もしそれをやって良いなら、今すぐにミューリア達には帰ってもらおう。
全て俺がやるから。レポートの作成も発表も討論も、全部俺がやるから。そんな楽しそうなこと、他の誰かに絶対譲らないから。
所詮は、叶わない夢だがな。
そもそも教師達がレポートを受け取ってくれないと思う。
「はいはい!良いこと思い付いた」
アシベルが挙手をした。
「何?アシベル」
「何でも良いんだよね?何言っても良い?」
「あんまり突拍子もないのは駄目だと思うけど…。まぁ、まずは案を出さないと始まらないわ。何でも言ってみて」
相変わらずリーダー気取りのミューリアに、俺はイラッと来るが。
鈍いアシベルは、ちっとも気にしてはいなかった。
「『帝国騎士は普段、職場で何を食べてるか』。これ良くない?」
「おぉー」
「なかなか面白そうじゃない」
何食べてるって。
期待してるところ悪いが、役職のついてない平騎士は、ランドエルスの学食と似たようなものしか食ってないぞ。
副隊長以上は良いもの食ってるんだろうと思ってるのかもしれないが、実際のところ、副隊長以上になると仕事がべらぼうに忙しいから、きちんと座って食事してる暇なんかほとんどない。
俺が現役の頃は…仕事しながら片手で食べられるサンドイッチとか、クレープとか、栄養機能食品とか、そんなものばっか食べてた。
現実なんてそんなもんだ。
すると次に、エルスキーがこう提案した。
「じゃあさ、『帝国騎士の制服の歴史』みたいなのも良いかもな」
「おぉー、良いね~」
うん。知らないんなら教えてあげるけど、残念ながら帝国騎士の制服のデザインは、設立当初から全く変わっておりません。
今も昔も、ダッサいまま。
今思うと、よくあんなダサい服、平気で着ていられたよな。
あんなの着るくらいなら、全裸でいた方がましじゃないか?
「じゃあ、こんなのどう?『帝国騎士の休日の過ごし方』」
「アシベルのところの叔父様はどんな風に過ごしてるの?」
「うーん…。休日でも仕事してるか、剣の稽古してる」
「さすが、帝国騎士の鑑だね」
俺に言わせれば、あいつはただの堅物のおっさんだがな。
休日の過ごし方なんて。平騎士ならそこらの一般帝国民の休日と変わらないだろうし。
役職つきの帝国騎士なら、俺のように生まれたときから帝国騎士になる為の訓練漬けで生きてきた者がほとんどだ。
だからそういう奴は総じて、娯楽というものを知らない。
なまじ剣の稽古やら、勉強ばかりしてきたものだから。
他に何をしたら良いのか、さっぱり分からないのだ。
アストラエアもその口だ。休日だというのに仕事や剣の稽古をしているのは、奴が帝国騎士の鑑だからではなく、それ以外の楽しみを知らないからだ。
そんなつまらない人間の集まりなのだと、こいつらには分からないだろうけどさ。