The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
幼い頃は漠然と気持ち悪い、と思っていただけだが。

成長するにつれて、そういった行為は段々とエスカレートしていった。

私も徐々に大きくなって、こういうことはしてはいけないことなんだと分かるようになって…ますます気持ちが悪くなった。

でも、抵抗は出来なかった。

それを良いことに、成長するにつれて、もっと汚いことをさせられるようになった。

兄は丁度、性に目覚める時期だった。

兄と同い年の男の子は、女の子に興味があっても、その衝動を抑えていた。大体まだ子供だから、興味があったとしても、我慢する以外にどうしようもなかった。

でも兄は違う。兄には私がいた。

都合の良い、抵抗もしない、便利な身体が。

いつの頃からか、兄は夜毎に私の部屋にやって来て、私の身体の女の部分に触れるようになった。

それだけじゃない。兄は私に、自分の性器を触るように強要した。

本当に汚なくて、気持ち悪くて、私は激しく抵抗した。

でも、兄は容赦なく私を殴り、汚ならしい行為を続けさせた。

その頃には男女の対格差も大きくなっていたから、本気で殴られると、痛いでは済まなかった。

暴力から逃れるには、兄に従うしかなかった。

その当時、お母さんはもう、一月に一度くらいしか帰ってこなくなっていた。

何の前触れもなくふらっと帰ってきて、私達の生活費を置いて、また何処かに行ってしまう。

兄は「自分の方が年上だから、自分が管理する」と言って、そのお金を自分のポケットにしまい込んだ。

管理とは口ばかりで、兄はそのお金を自分の小遣いと思い込み、自分のぶんだけの食べ物や、余ったらゲームや漫画を買っていた。

私にもちょうだいなどと言えば、兄はその汚らわしい行為の代償に、私に僅かばかりのお金を渡すようになった。

行為を拒否すれば、お金は渡さない、と言った。

こんなことを言われたら、私は嫌でも兄の言う通りにするしかなかった。

兄は、十歳にも満たなかった私を…金で身体を売る、娼婦にしたのだ。

しかも、一回の行為で渡されるお金は、ごく僅かなものだった。

200円とか、300円程度。

更に、行為の途中で私が嫌がれば、行為をしてもお金はくれなかった。

私にここまでさせておいて、兄は行為が終わると、いつも私を嘲笑った。

「金の為にこんなことをするなんて、お前は本当に汚い女だな」と。

それを私にさせているお前はどうなんだと、私はいつも思っていた。

でも、口に出せば平手打ちが飛んでくるのは分かっていた。

だから私は何も言わず、兄の機嫌を取る為に、作り笑いをした。

本当に、最低の日々だった。
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