The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
カセイと別れ、俺は店に帰ってまったりしていた。

「ルレイアさん、最近は早く帰れるんですね」

「そうなんですよ。危うく放課後に残らされかけたんですけどねー。今日は運良く帰れました。皆さんと遊ぶ時間が増えますね」

艶っぽく囁くと、左右にはべった女達は恍惚として目を細めた。

うん。今日は彼女達で遊ぼう。

とはいえ俺も最近、さすがにお疲れ気味だからなぁ…。二人相手だとちょっとしんどいかも。

なんて、らしくないことを考えていたら。

「ルレイアさん、お電話です」

黒服の一人が、使い捨ての携帯を持ってきた。

「え~…。誰ですか…」

面倒臭い相手だったらスルーしようかな…。

「ルルシーさんです」

「代わってください。早く」

それを先に言え、それを。

お前の嫁からだよ、って。

「もしもし?ルルシーさん?」

『あぁ…ルレイア。久し振りだな』

電話越しに聞く久し振りのルルシーの声に、俺は一瞬で歓喜した。

「ルルシー!俺の嫁!会いたかったですよルルシー!元気でした?オルタンスと浮気してませんよね?俺はいつでもあなたを愛してますよるる、」

『落ち着けルレイア。分かったから。言っとくがこれ、スピーカーフォンだから。聞いてんだからな。他の奴も』

「…誰が?」

『オルタンス以下、帝国騎士団の隊長数名』

「へぇ~…。俺達の愛を盗み聞きとは、良い度胸ですねぇ…」

『…愛言うな』

「ほら。スピーカーフォンだとルルシーが照れちゃうんですよ」

『照れてる訳じゃないから。余計なことを言うな』

「はーい」

恥ずかしがり屋のルルシーの為に、愛の言葉は控えめにしておこう。

それにしてもルルシーから電話をもらえるなんて。こんなに胸が高鳴るのは、いつ以来だろう?
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