The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーー…あぁ、もう色んな意味で頭が痛い。

久々の通話なのだから、俺の声を聞くなりルレイアが色々捲し立てるのは分かっていた。

分かっていたからこそ、最初にこれスピーカーフォンだから!ということを強調しておこうと思ったのに。

…間に合わなかった。

オルタンスが隣で、めっちゃ真顔で聞いてるのが辛い。

嫁だとか浮気だとか愛だとか。挨拶部分だけで爆弾発言が三つも飛び出してきた。

あぁ、もう良い。気にするな。

そんなことより、大事なことをルレイアに話さなければならないんだから。

『で?用件は何なんですか?』

「…それが…」

『うーん。あっ、分かった。何処かの悪戯猫ちゃんが、飼い主に内緒でよその家に悪戯しちゃったんですね?』

「…お前」

この言い方。まさか。

「…聞いたのか?ランドエルスのスパイに」

『いえ、なんにも。ただルルシーがあんまりしんみりしてるんで、そうかな~と思っただけで』

「…」

相変わらず、ルレイアの洞察力は神がかってるな。

末恐ろしい男だ。ルレイアが敵じゃなくて良かった。

こんなの相手にした暁には、枕を高くして眠れない。

『その様子だと、当たりってことですね?』

「あぁ、お前の読み通りだ」

『そうですか。まぁ、そんなことだろうと思ってましたよ』

ルレイアは大して驚いた様子でもなかった。

まぁ…『猫』もマフィアだからな。考えることは同じってことだ。

『じゃあ、詳細を聞かせてもらいましょうか』

「あぁ」

勿論、そのつもりで電話したのだ。
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