The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーー…ルレイアとの通話を終え。

分かっていたことではあるが…爆弾発言は結局、三つどころではなかった。

あぁ、恥ずかしい…。

ルレイアは俺の身の安全をえらく気にしていたようだが…。気持ちは嬉しいが、その心配はどうやら、必要ないようだ。

こんな状況になっても…オルタンスは、俺をどうにかするつもりはないようだからな。

「…本当に良いのか?ルレイアと、『青薔薇連合会』を滅ぼす好機じゃないのか」

ルレイアとの会話を一緒に聞いていたオルタンスに向かって、俺は改めてそう尋ねた。

しかし。

「確かに、そうかもしれないな」

「それなのに、みすみす見逃すのか」

「そうだ」

オルタンスはきっぱりとそう答え、そして客間を出ていった。

…あいつ、一体どういう心境の変化なんだろうか。

他の隊長達も、何も言わずに部屋を出ていった。

だが、一人だけ残った者がいた。

「…何だ?」

「…」

ルシェだけは、苦しげな顔をして俺をじっと見つめていた。

彼女は…何か、思うことがあるようだ。

それはそうだろうな。

ルシェはしばし俺を見つめ、それから無言で部屋を出ていった。

彼女も…なかなかに気の毒な身の上であることだ。
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