The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
言いたいことを言って、ルシェはもう用は済んだとばかりに立ち上がった。
「…余計なお世話かもしれないがな」
言うべきではない。ルレイアが聞けば、余計なこと言わないでくださいよ、と口を尖らせそうだ。
でも、俺はルシェをあながち悪者だとは思えなかった。
ルシェがルレイアを信じていたら、ルレイアの親友は俺ではなく、ルシェだったはずだ。
俺とルシェの間に、元々大した差はなかった。
ほんの少し何かが違っていれば、ルレイアはルシェに盗られてしまっていたかもしれないのだ。
だから、俺はルシェを憎むことが出来ない。
「あんたはもう…ルレイアに、自分の弟に…囚われる必要はないと思うぞ」
「…」
「ルレイアはもう、新しい自分の人生を生きてる。だから…」
ルレイアを忘れてしまえ、とは言わない。
だが、これ以上ルシェが…過去に囚われて生きる必要はない。
「…そうだな」
ルシェは小さく頷いた。
「新しい人生…か。あの子はそれを…許してくれるだろうか」
「…許すも何もない」
ルレイアはルシェが自分のことを忘れようと、忘れて新しい人生を生きていこうと、どうでも良いはずだ。
「…あんたが愛していた『ルシファー』は…きっと、それを望んでいるはずだ」
「…」
あの二人は…元々。
仲の良い…姉弟だったのだから。
「…ルシファーがお前を選んだ理由が、分かった気がする」
「は…?」
ルシェは、何かが吹っ切れたような顔で、俺を振り返った。
「もう少しすれば、我々はまた敵同士だ。そうなる前に…話を出来て良かった」
「…あぁ…」
「それでは、ルシファー…いや、ルレイアか。あの子を頼む」
そう言い残して、ルシェは部屋から出ていった。
…俺は少しでも、ルシェの慰めになったのだろうか?
ルシェが立ち直れようと、立ち直れまいと…俺の預かり知るところではない。
でも、彼女のことを愛していたルシファーなら。
きっと…俺と同じように言うはずだ。
ルレイアは、ちゃんと幸せになってるんだから。
あんたも多分、そうなって良いんだ。
そのくらいは…ルレイアも許すだろうから。
「…全く。お節介だな、俺も」
敵に塩を送るようなものだ。
でも、彼女にああ言ったことを…後悔はしていなかった。
「…余計なお世話かもしれないがな」
言うべきではない。ルレイアが聞けば、余計なこと言わないでくださいよ、と口を尖らせそうだ。
でも、俺はルシェをあながち悪者だとは思えなかった。
ルシェがルレイアを信じていたら、ルレイアの親友は俺ではなく、ルシェだったはずだ。
俺とルシェの間に、元々大した差はなかった。
ほんの少し何かが違っていれば、ルレイアはルシェに盗られてしまっていたかもしれないのだ。
だから、俺はルシェを憎むことが出来ない。
「あんたはもう…ルレイアに、自分の弟に…囚われる必要はないと思うぞ」
「…」
「ルレイアはもう、新しい自分の人生を生きてる。だから…」
ルレイアを忘れてしまえ、とは言わない。
だが、これ以上ルシェが…過去に囚われて生きる必要はない。
「…そうだな」
ルシェは小さく頷いた。
「新しい人生…か。あの子はそれを…許してくれるだろうか」
「…許すも何もない」
ルレイアはルシェが自分のことを忘れようと、忘れて新しい人生を生きていこうと、どうでも良いはずだ。
「…あんたが愛していた『ルシファー』は…きっと、それを望んでいるはずだ」
「…」
あの二人は…元々。
仲の良い…姉弟だったのだから。
「…ルシファーがお前を選んだ理由が、分かった気がする」
「は…?」
ルシェは、何かが吹っ切れたような顔で、俺を振り返った。
「もう少しすれば、我々はまた敵同士だ。そうなる前に…話を出来て良かった」
「…あぁ…」
「それでは、ルシファー…いや、ルレイアか。あの子を頼む」
そう言い残して、ルシェは部屋から出ていった。
…俺は少しでも、ルシェの慰めになったのだろうか?
ルシェが立ち直れようと、立ち直れまいと…俺の預かり知るところではない。
でも、彼女のことを愛していたルシファーなら。
きっと…俺と同じように言うはずだ。
ルレイアは、ちゃんと幸せになってるんだから。
あんたも多分、そうなって良いんだ。
そのくらいは…ルレイアも許すだろうから。
「…全く。お節介だな、俺も」
敵に塩を送るようなものだ。
でも、彼女にああ言ったことを…後悔はしていなかった。