The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…俺は反対だな」
最初に反対意見を口にしたのは、三番隊のアドルファスだった。
「何故反対する?」
「『猫』が『連合会』の立場に成り代わるなんて、そんなことは不可能だからだ」
あぁ…アドルファスも気づいていたか。
「不可能だと?」
「だって不可能だろ。『青薔薇連合会』は何十年何百年単位で、ルティス帝国の裏社会に根付いていったんだ。組織のトップが倒れたからって、そこに余所者のマフィアがすり替わって、今まで通り上手く行くはずがないだろ」
「…」
アドルファスのこの意見には、さすがのユリギウスやルーシッドも黙った。
「…確かにな。下手をすれば、余計な混乱を招く結果になるかもしれない」
リーヴァも、アドルファスに同意した。
更に。
「…貴殿らに、『青薔薇連合会』の代わりが務まるとは思えない」
隊長会議では沈黙を守ることの多いルシェまでが、そう言った。
「『連合会』よりはましと言うが、どちらにしても変わりはない。今後は大人しくしていると言いながら、手のひらを返す可能性だってある」
「我々は…そんなつもりは」
「口先でなら何とでも言える」
「…」
ハーリアは抗議の声をあげようとしたが、ルシェに一刀両断されていた。
そう。口だけなら…何とでも言えるのだ。
あれだけ狼藉を働いた『シュレディンガーの猫』が、今後は大人しくしますと言っても、どれほど信用出来ることか…。
「…貴殿は弟を失いたくないが為に、『連合会』を庇っているだけではないのか」
五番隊のアストラエアが、ルシェを睨んだ。
しかし、ルシェは怒りもしないし、後ろめたい顔をすることもなかった。
「そういうことではない。それに…あの子は、『シュレディンガーの猫』や帝国騎士団ごときに、殺されるような人間ではない」
「…」
誰一人、鼻で笑い飛ばすことが出来ないのが辛いところだ。
…ルレイア・ティシェリー。
俺の頭の中を占めているのは、紛れもなくあの男のことだった。
最初に反対意見を口にしたのは、三番隊のアドルファスだった。
「何故反対する?」
「『猫』が『連合会』の立場に成り代わるなんて、そんなことは不可能だからだ」
あぁ…アドルファスも気づいていたか。
「不可能だと?」
「だって不可能だろ。『青薔薇連合会』は何十年何百年単位で、ルティス帝国の裏社会に根付いていったんだ。組織のトップが倒れたからって、そこに余所者のマフィアがすり替わって、今まで通り上手く行くはずがないだろ」
「…」
アドルファスのこの意見には、さすがのユリギウスやルーシッドも黙った。
「…確かにな。下手をすれば、余計な混乱を招く結果になるかもしれない」
リーヴァも、アドルファスに同意した。
更に。
「…貴殿らに、『青薔薇連合会』の代わりが務まるとは思えない」
隊長会議では沈黙を守ることの多いルシェまでが、そう言った。
「『連合会』よりはましと言うが、どちらにしても変わりはない。今後は大人しくしていると言いながら、手のひらを返す可能性だってある」
「我々は…そんなつもりは」
「口先でなら何とでも言える」
「…」
ハーリアは抗議の声をあげようとしたが、ルシェに一刀両断されていた。
そう。口だけなら…何とでも言えるのだ。
あれだけ狼藉を働いた『シュレディンガーの猫』が、今後は大人しくしますと言っても、どれほど信用出来ることか…。
「…貴殿は弟を失いたくないが為に、『連合会』を庇っているだけではないのか」
五番隊のアストラエアが、ルシェを睨んだ。
しかし、ルシェは怒りもしないし、後ろめたい顔をすることもなかった。
「そういうことではない。それに…あの子は、『シュレディンガーの猫』や帝国騎士団ごときに、殺されるような人間ではない」
「…」
誰一人、鼻で笑い飛ばすことが出来ないのが辛いところだ。
…ルレイア・ティシェリー。
俺の頭の中を占めているのは、紛れもなくあの男のことだった。