The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「随分と汚い女でしたよね、あなた。俺がカセイ…ハバナと付き合いたいと言ったときも、俺に良い顔をしたいが為に、俺に協力しましたよね?本当は俺を好きだった癖に。ハバナなんかに盗られたくなかった癖に」

「…!」

ミューリアは図星を突かれたらしく、青い顔で身体を震わせた。

まぁ、腕を切り落とされたからかもしれないが。

「…この際だから、はっきり言っておいてあげますね」

いつか、言ってやろうと思っていたのだ。

この、鬱陶しいお節介女に。

「…お前、俺が一番嫌いなタイプの女なんですよ」

俺は弱い癖に上から目線の女が、心底大っ嫌いなのだ。

ハーレムに加える価値もない。

絶望にうちひしがれるミューリアの顔を堪能してから、俺は教室を出ようとして…ふと思い出した。

「…あ、そうだ。エルスキーとアシベルにも、言おうと思ってたことがあったんだった」

どうせ今日でおさらばなのだから、言いたいことは皆言っておこう。

「エルスキーの方は、まだ弾除けくらいの騎士にはなれるでしょうけど…。アシベル、あなたは帝国騎士になったとしても、アストラエアの面汚しにしかならないでしょうから、進路変えた方が良いですよ」

「…」

「それじゃ、さよなら」

言うだけ言って、俺は振り返らずに教室を出た。

早いところ、カセイを追うとしよう。



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