The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
そんな場所で生まれ育った為に、私はルティス帝国に最初に来たとき、酷く驚いたものだ。

この国の国民には、自由があった。

何でも自由に自分で決めていた。

ルティス帝国の帝国騎士団は、箱庭帝国で言う憲兵局と同じ組織であるはずだが、でも、この二つの組織はまるで正反対だった。

憲兵局は自分達が豊かである為に、国民に鞭打って働かせていたが、帝国騎士団は違った。

彼らは帝国民の為に、身を粉にして働いていた。

箱庭帝国のように、国民から搾取することもなかった。

ルティス帝国を見て、自分の国がどんなに異常だったのかを改めて思い知らされた。

そして、なんて不公平なことだろうと思った。

私も、こちら側に生まれていれば。

そうすれば…あんな思いはせずに済んだろうに。

きっとルーザが作ろうとしたのは、こんな国だったのだ。

それなのに私達の祖国は、ルーザを殺した。

私の恋人を。私が唯一愛した人を。

















…彼は、真夜中に屋根裏にやって来て、私に理想を語ってくれた。



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