The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…で、お前はいつ帰るんだ?」

「え?今日は朝まで帰さないんじゃないんですか?」

「帰れ」

「も~、ルルシーったら」

冗談だっていうのに。

でも、そんなところが好き。

「今日は帰りませ~ん。ルルシーん家に泊まります」

「またかよ…。まぁ良い。お前と話したいこともあったし…」

えっ?

「何々?愛の告白とかですか?」

「何でお前はすぐそういうことを考えるんだ。違うよ」

「なぁんだ…」

ちょっと残念。

勿論、ルルシーとお喋り出来るなら何でも楽しいのだけど。

「それで?俺と何を話したいんですか?」

「…ランドエルスにいた頃の話を」

…ふむ。

そう来るだろうなぁとは思っていたけど…案の定だったか。

ルルシーはえっちだからなぁ。自分のいない間に俺が他の子と何をしていたのか気になって仕方ないんだろうな。

「おい待てルレイア。別にお前の交遊関係が気になる訳じゃないぞ。今お前、俺に失礼なこと考えただろ」

「えっ、凄いルルシー。俺の考えてることがお見通しなんですね~」

以心伝心って奴だな。さすがルルシー。

「じゃあ何が聞きたいんですか?」

「シューレンの妹をぶっ殺したと聞いたぞ」

あぁ、そのこと。

アイズ辺りが話したのかな?別に話されて困ることじゃないから良いけど。

「最高に楽しかったですよ」

「そうか」

あれからシューレンは、『偶然の不幸』が立て続けに起こって、自殺してしまったそうだ。

おめでとう。慎んでお祝い申し上げます。

「お前の気が済んだならそれで良い」

ルルシーは、「悪いのはシューレン本人であって、妹は関係ない」とは言わなかった。

当たり前だ。俺達はマフィアなのだから。

目には目を。歯には歯を。シューレンの罪なら妹も同罪だ。

ざまぁ。

「他の生徒とは?アストラエアの甥がいたんだろ?」

「甥…よりはもう少し遠い関係だそうですけどね。アシベルのことでしょう?アストラエアが気の毒なほどの雑魚でしたよ」

あいつはカルトヴェリア家の面汚しだな。

今頃どうしているやら。この一件で、少しは大人しくなったのだろうか?

どうでも良いけどな。

ミューリアのことも、エルスキーのことも、ティモニーのことも。

カセイ・リーシュエンタールのことも。

俺にはどうでも良い。あと数年もすれば、彼らの顔も名前も忘れてしまうことだろう。

「二度目の学生生活はどうだった?」

「ん~。ルルシーがいないから楽しくなかったです」

ルルシーがいれば、もっと楽しかっただろうに。

「あんなの、人生で二度も三度もやるものじゃないですね」

「そうか。…お前が傷ついてないなら、それで良いよ」

ずーっと気にしてたんだろうね、ルルシーは。

俺がルルシーのこと、ずっと心配していたように。

あぁ、本当に愛しい。

帰るべき場所に帰ってきたような…そんな気がする。
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