The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「…そういえばルルシー、あなた浮気してないでしょうね?」

「…してないよ…」

またその話か、みたいな顔をしても駄目だから。

何回でもするから。だって心配なんだもん。

「俺がいないのを良いことに、帝国騎士とイケナイ関係になったりしてないでしょうね?アリューシャが酷い目に遭いますよ」

その頃、帰宅途中のアリューシャが不意に悪寒に襲われていたことを、俺達は知らない。

アリューシャは、ルルシーの浮気管理委員になってもらったからな。

もしルルシーが浮気をしていた場合、連帯責任でアリューシャにも罰を受けてもらう。

「してない。アリューシャを巻き込むのはやめてやれ」

「オルタンスとも?何もなかったでしょうね」

「ないよ。ってかあいつ、俺がお前と結婚するって話を本気にしてたぞ」

ふん。良いことじゃないか。

一生本気にしておけ。馬鹿め。

「あぁ、でも一度、お前の姉が話しに来たぞ」

「あ…?ルシェが?何で?」

「お前のことを宜しくと言われた。言われるまでもないがな」

…ちっ。あの馬鹿女、余計な口出ししやがって。

…うん?待てよ?

俺を宜しく…?

「…つまり結婚しろってことですかね?これはあれですよルルシー。運命が俺達に結婚しろと…」

「違う。やめろ。そういう意味じゃない」

「も~。ルルシーったらいけず」

でも、そんなところが好き。

「とにかく、ルルシーが浮気してないなら良いです」

「しないよ」

それなら良かった。

俺にとってルルシーは一番で、ルルシーにとっても俺が一番でないと。

俺は、気が狂ってしまいそうだからな。

「…何にせよ、お互い無事に戻ってこれて良かったということで」

「そうだな。こんな危ない橋を渡るの、当分はよしてくれよ」

「うふふ。はーい」

ルルシーとならどんな危ない橋でも、笑顔で渡ってしまいそうだ。
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