The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
それにしても新婚の悩みって、一体何なのだろう。

色々考えられるよな。

例えば、結婚してみると、パートナーと金銭感覚が合わないとか…。

結婚前に決めていた家事分担が、いつの間にかどちらかに比重が偏り過ぎてしまっているとか…。

子供のことで、パートナーと意見が食い違うとか…。

結婚前は優しくて真面目だったのに、結婚後は化けの皮が剥がれて、そのギャップに戸惑ってるとか…。

ルヴィアの悩みは、どんなものなのだろう。

どんな悩みであっても、真剣に考えるつもりであるが…。

「…実は」

「うん」

「嫁が…ちょっと怖くて…」

…うん?

「束縛がかなりきついんです。俺が他の女とちょっと話しただけで物凄く不機嫌になって…。逆らうと恐ろしい目に遭うので、絶対逆らえないですし。正直、そこまで愛されると重くて…」

「…ルヴィア」

「はい、ルルシーさん」

「お前の…その気持ちは、よく分かる…」

ここに今、同盟を結びたいくらいだ。

『重い嫁被害者の会』を結成しようじゃないか。

「あ…そうか。ルレイアさんも割とそうですもんね…」

「そうなんだ…。だからお前の気持ちはよく分かる。辛いよな…」

いや本当。もう本当。めっちゃ辛い。

言葉では言い表せない。被害に遭った者だけが分かるこの苦しみ。

嫁が怖くて逆らえない。俺と全く同じ。

「言いたいことはあるんですけど、でも下手なこと言って怒らせたら、何するか分かんないんですよね…」

「…分かる…」

あれ?目の前にいるの、俺のコピーか何か?

涙出そうになってきた。

「どうしたら良いんでしょう…うちの嫁…」

「そうだな…」

ルレイアで置き換えてみよう。あいつをどうすれば、突拍子もないことをしないようになるのだろう。

…。

…どうやっても、あいつはあいつのままのような気がする。

いや、それじゃ駄目だ。同志として、ルヴィアに何かアドバイスをしなければ。

「…ルヴィア。何か具体例はないか?今まで、どんなエピソードがあった?」

「エピソード…そうですね…」

ルヴィアは、少し考えた。
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