The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーー…ルヴィアは、そんな話を語ってくれた。

「何て言うか…ルヴィア…」

どう慰めて良いのか分かりません。

「煙草臭いからって、あんなに消臭スプレーかけなくても良いですよね…」

「あ、あぁ…」

そもそも人間に向かって消臭スプレー吹かす行為自体、異常だと思うんだが?

「と言うか、よくその日にお前が煙草吸ったって気づいたな。一本だけだったんだろう?」

「えぇ。一本でした」

「…もしかして、煙草吸う部下と一緒に仕事したとか…」

それで臭いが移ってしまった…という訳ではないのだろうか。

「いえ…。ヘビースモーカーの部下と同じ車に乗った日でも、消臭はされません。消臭されるのは俺が吸った日だけです」

「凄いな…」

一体どんな鼻してたら、そこまで嗅ぎ分けられるんだ?

しかも、帰ってすぐ。

前世が犬なのだろうか…。

「…ルルシーさん。実は、煙草のエピソードはこれだけじゃないんです」

「えっ、まだあるのか?」

「はい。消臭スプレーはまだ序の口で…。俺がきっぱり禁煙しようと思った、決定的なエピソードがあって」

消臭スプレーだけでも、充分インパクトがあるエピソードだったのだが?

ルヴィアは一体、嫁に何をされたんだ?
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