The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
消臭されるかな…と、びびりながら帰宅したが。

「お帰りなさい、ルヴィアさん」

「あぁ…ただいま」

てこてこ、とフューニャは俺に歩み寄ってきた。

おぉ…良かった。消臭スプレー取りに行く様子はない。

ブレ●ケア、ありがとう。

「デートの予定が、寸前でドタキャンされて一人涙にくれていた健気な妻に、ただいまのキスをしてください」

「悪かったよ…。今度埋め合わせするから」

これは心からの言葉であった。

次の休みには、ちゃんと遊びに連れてってあげよう。

「…それとも、これから行くか?遠くには行けないが…。駅前のホテルで夕食でも」

予約はしていないが、マフィアの準幹部であることをちらつかせれば問題ない。

あのホテルは、うちの系列店だからな。

しかし。

「いいえ、良いんです。今夜はもうメニューが決まってますから」

「あ…そうなのか」

今日作る予定のものは明日に回して、今日は外食ということにしても良いのではないか…と。

思わなくもなかったのだが。

それともあれだろうか。刺身とか?今日中に食べないと不味いのだろうか。

まぁ、何でも良いや。

とにかく次の休みのときには、ちゃんとフューニャをデートに連れていってやろう。

と、俺は軽く考えていた。






事件が起きたのは、その夕食のときだった。



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