The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「ルヴィアさん、お夕飯が出来たので食べましょう」
「ん、あぁ」
今日はもう何処にも行かないからと、自分の部屋で書類仕事に打ち込んでいた俺を、フューニャが呼びに来た。
俺はパソコンをスリープモードにして、席を立った。
「今日の夕飯は自信作なんですよ」
「あ…そうなのか」
「『残さず』『全部』食べてくださいね」
「…?うん…」
何だ?この含みのある言い方は…。
この時点で、俺は危機感を覚えておくべきだったのだ。
まぁ、危機感を覚えていたところで…最早檻の中に入ってしまっていたから、どうしようもなかったのだが。
フューニャの料理はいつも、どれも美味しかったから…。全く疑っていなかった。
食卓について、俺は目を疑った。
まず主菜。梅風味の白身魚甘酢あんかけ。これはセーフ。非常に美味しそう。
次に副菜。自家製もずく酢。これも美味しそう。セーフ。
もう一つ副菜。箸休めの自家製ピクルス。これも勿論セーフ。
そしてサラダ。大量のミント、バジル、セロリ、パクチーのレモンドレッシングがけ。これも…好き嫌いは分かれそうだが、まぁセーフ。
デザートは、カットしたグレープフルーツ、レモン、キウイの盛り合わせに、チョコミントアイス添え。これは…レモン以外はセーフ。
最後にご飯もの。今日はいつもの白ご飯ではなく、混ぜご飯にしてみたらしい。
ただ、混ざってるものが何なのか分からない。
銀杏…?銀杏なのか?でもそれにしては色が…。
「…!」
至近距離で五秒くらい見つめて、ようやく混ざっているものの正体に気がついた。
飲み会のお伴。今日もついさっきお世話になった、ブレ●ケア。
俺の味方であったはずのブレ●ケアが、白米に5対1くらいの割合で混ざっていた。
新メニュー。ブレ●ケアご飯。
これは完全にアウト。
「フューニャ…これは一体何なんだ」
俺は絞り出すような声で、震えながら聞いた。
よく見たら他のメニューも、酸っぱかったり爽やかだったり…見てるだけで口の中に唾が沸いてきそうである。
「あら…。ルヴィアさん、随分爽やかなものがお好きなようですから」
「…?」
「煙草の臭いも消えますし、一石二鳥かと思いまして」
「!!」
き…気づいていたのか。
「身体の中から爽やかになって頂きます。可愛い妻が一生懸命作ったんですもの。ちゃんと残さず…食べてくれますよね?」
にこ、と天使のように…俺にとっては悪魔のように…頬笑むフューニャを前に。
俺は震える手で、箸を取った。
「ん、あぁ」
今日はもう何処にも行かないからと、自分の部屋で書類仕事に打ち込んでいた俺を、フューニャが呼びに来た。
俺はパソコンをスリープモードにして、席を立った。
「今日の夕飯は自信作なんですよ」
「あ…そうなのか」
「『残さず』『全部』食べてくださいね」
「…?うん…」
何だ?この含みのある言い方は…。
この時点で、俺は危機感を覚えておくべきだったのだ。
まぁ、危機感を覚えていたところで…最早檻の中に入ってしまっていたから、どうしようもなかったのだが。
フューニャの料理はいつも、どれも美味しかったから…。全く疑っていなかった。
食卓について、俺は目を疑った。
まず主菜。梅風味の白身魚甘酢あんかけ。これはセーフ。非常に美味しそう。
次に副菜。自家製もずく酢。これも美味しそう。セーフ。
もう一つ副菜。箸休めの自家製ピクルス。これも勿論セーフ。
そしてサラダ。大量のミント、バジル、セロリ、パクチーのレモンドレッシングがけ。これも…好き嫌いは分かれそうだが、まぁセーフ。
デザートは、カットしたグレープフルーツ、レモン、キウイの盛り合わせに、チョコミントアイス添え。これは…レモン以外はセーフ。
最後にご飯もの。今日はいつもの白ご飯ではなく、混ぜご飯にしてみたらしい。
ただ、混ざってるものが何なのか分からない。
銀杏…?銀杏なのか?でもそれにしては色が…。
「…!」
至近距離で五秒くらい見つめて、ようやく混ざっているものの正体に気がついた。
飲み会のお伴。今日もついさっきお世話になった、ブレ●ケア。
俺の味方であったはずのブレ●ケアが、白米に5対1くらいの割合で混ざっていた。
新メニュー。ブレ●ケアご飯。
これは完全にアウト。
「フューニャ…これは一体何なんだ」
俺は絞り出すような声で、震えながら聞いた。
よく見たら他のメニューも、酸っぱかったり爽やかだったり…見てるだけで口の中に唾が沸いてきそうである。
「あら…。ルヴィアさん、随分爽やかなものがお好きなようですから」
「…?」
「煙草の臭いも消えますし、一石二鳥かと思いまして」
「!!」
き…気づいていたのか。
「身体の中から爽やかになって頂きます。可愛い妻が一生懸命作ったんですもの。ちゃんと残さず…食べてくれますよね?」
にこ、と天使のように…俺にとっては悪魔のように…頬笑むフューニャを前に。
俺は震える手で、箸を取った。