The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
しかし。

情事の後、満足そうなフューニャを見てほっと一息ついたのだが。

フューニャはそんな俺をきっ、と睨んだ。

「…勿論、これで機嫌が直ったなんて思ってませんね?」

「うぐっ…」

さすがフューニャ。俺の考えていることはお見通しか。

「私は可哀想な妻です。夫に浮気をされ、かつ、浮気の証拠を捉えたのにしらばっくれられ、おまけに証拠を示したその晩に夫に襲われました。なんて可哀想な妻なんでしょう」

「いや…誘ってきたのお前じゃん…」

「私は貞淑な妻なので、自分から誘ったりしません」

えぇぇ…?

まだ…不機嫌なまま、ということか?

これは相当根が深いな…。

「罰として、私が寝るまで私の頭をなでなですることを命じます」

「…あ、うん」

よしよし、とフューニャの頭を撫でてやると、フューニャはふにゃんと嬉しそうな顔をして、目を閉じた。

俺はフューニャに言われた通り、フューニャが眠りにつくまでずっとそうしてやった。
< 433 / 561 >

この作品をシェア

pagetop