The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーー…と、ルヴィアは暗い顔で語ってくれた。

「あれから、嫁の機嫌が悪いんですよ…」

「…どんな風に?」

今の話を聞く限り…ただの惚気にしか聞こえないんだが?

「まず、おはよう、行ってきます、ただいま、お休みのキスを自分からせがんでこなくなりました」

「…」

「前は自分からせがんできたのに…。でもしなかったら怒るんですよ。だから俺の方からしてるんですけど」

「…それから?」

「一緒にお風呂入ってくれなくなりました」

「…」

「不機嫌なんですよね、嫁…」

溜め息をつくルヴィア。

どうしよう。俺、突っ込んで良いのだろうか。

いや、お前らラブラブ…。不機嫌とは思えないくらいいちゃついてるのでは?

「あんまり不機嫌なので、俺、今朝聞いてきたんですよ。どうしたら機嫌直してくれる?って」

「あぁ…。そしたら、何て?」

「『可愛い妻が喜ぶお土産を買ってきてくれたら許します』って」

「成程…」

物に釣られる辺り、やっぱり可愛いもんじゃないか。

「それで俺、出社してからずーっとパソコンで調べてたんですよ。何か良い店がないか…。でも、なかなか見つからなくて」

「うん…」

嫁への土産を探すのは良いが、仕事をしろよ。

今は夫婦の危機(自称)らしいから、それどころじゃないのかもしれないけど。

「ルルシーさん。どんなのが良いと思います?今、世の女の子はどんなものを欲しがってるんでしょう」

「…そうだな…」

そう言われても…。俺、いまいち女性が何を好むのかは…。

…あ。

一人…思い付いた。

いるじゃないか。俺の周りに。女の扱いがプロ並みに長けた男が。

「…ルヴィア。心当たりがある。少し待っててくれないか」

「?はい。ありがとうございます」

部下の為だ。ここは一肌脱ぐとしよう。
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