The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
…数十分後。

俺はなんとか、ルレイアの誤解を解くことに成功した。

「なぁんだ…。ルルシーの部下の話ですか。それならそうと言ってくださいよ」

「悪かったよ…」

…ん?俺、言ったよな?二回くらい言ったよな?

話聞かなかったのお前だよな?何で俺が謝ってるの?

あぁ、もう何でも良いや。

「で、そんな訳で俺の部下が嫁さんを怒らせちゃったから、お詫びの品を送るんだと。何が良いと思う?」

「ふーん…。しかし面倒臭い女ですねぇ。俺、女に貢ぐなんて感覚が分かりませんよ」

お前は貢いでもらう側だからな。

「しかしまぁ、今まで数々の女をお持ち帰りしてきた俺に聞いたのは正解ですよ。女性のことなら、何でも知ってると言っても過言じゃありませんからね」

さすがはルレイア。泣かせてきた女の数が違うな。

俺の相棒はやっぱり凄い。近寄らない方が身の為だな。

俺が言っても説得力がないのは分かってるが。

「女性へのプレゼントなら…まずは無難に、花束とかどうでしょう」

「花束か…。結構王道だな」

「こういうのは王道を攻めるに越したことはありませんよ。女ってのは案外ベタなシチュエーションに憧れるものでしてね。奇をてらうよりは、王道に徹するべきです。俺はそれでピー百人落としました」

成程。説得力が違うな。

「あとはお菓子ですね。その嫁が甘いものが好きだということが前提になりますけど」

「お菓子か…」

こちらも王道だな。

ルヴィアの嫁、甘いものは好きなのだろうか。女性と言えば甘いもの好きだと思われがちだが…。でも、女性皆が甘いもの好きだとは限らない。

ルレイアだって、男だけど、昔は無類のスイーツ好きだったもんな。

「定番はケーキ…。チョコレートやドーナツ。でも、これは本人の好みによりますね。ポイントは、その人が好きなお菓子の、それも普段は手を伸ばしづらいちょっとお高めのものを選ぶこと。これで女は、『自分の為にあんな高いものを買ってきてくれたんだ』と思いますよね。しかも入手が困難なものだとなおよろしい」

成程。自分の為に頑張ってゲットしてくれたんだな、って思うもんな。

例えば、午前中には売り切れてしまう有名店のシュークリーム、とか。

そういうのを渡されると…確かに嬉しい。
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