The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
「女にプレゼント、ましてや詫びの品を渡すときは、決してお金をケチってはいけませんよ。でも、既婚者なら程々に。高過ぎるものを渡すのも逆効果ですから」

「?何で?」

「既婚者なら、大抵の場合家計は共同でしょう?『こんな高いもの買って、今月どうするのよ!』って言われますよ。まぁマフィアの構成員なら、それほどお金に困るということはないでしょうけど」

あぁ…そういうことか。

恋人期間ならまだしも、夫婦になるとお金は共有になるもんな。

ルヴィアのところがどういう家計の切り盛りをしているのかは知らないが…。高過ぎるものを買うのはやめた方が良いな。

「あと、『こんな高いものを渡して、金で釣って私のご機嫌を取ろうとしてる』と思われかねませんから」

成程。確かに。

高いもの渡しとけば機嫌直すんだろう?っていう打算が見え隠れしてて、逆に腹が立ちそう。

「まぁ一番良いのは、本人が欲しがってるものをあげることですね。『◯◯が欲しいなぁ』とか、ぼやいてるの聞いたことありませんかね?もしそんなことを言ってるのを覚えているなら、それを買うべきですね」

テレビを観ているときや、雑誌を読んでるときに、「これ欲しいなぁ」とか言うことあるよな。

そういうのをルヴィアが聞いて、かつ覚えていれば…それを買うべきなのだろうが。

覚えてるかな?ルヴィア。

「相手が欲しがってるものがはっきり分からないなら、さっき言った定番のものを渡すべきですね」

「…分かったよ。そう伝える。ありがとな、ルレイア」

「どういたしまして。見返りはルルシーのキスで」

「飯作ってやるよ」

「も~。まぁ良いですけど~」

今夜は…そうだな。カレーにしよう。

アリューシャも多分来るだろうから、あいつのぶんだけ激辛でな。
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