The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
sideルヴィア
ーーーーー…その日は、休日であった。
「可愛い妻を遊びに連れていってください」とフューニャが言うので、朝に映画館に行って、それからレストランでランチをして帰ってきたのだが。
かなり良い雰囲気になったので、今夜はもう1ラウンドあるかな…なんて、ちょっとした期待もあった。
しかし。
「…ん?」
帰宅後、昼寝をしていた俺は、目が覚めたとき、妙に家の中が静かなことに気がついた。
…何?この静けさ。
嵐の前の…って奴?
何だろう。この妙な寒気は。
俺は立ち上がって、まずはフューニャの姿を探した。
「フューニャ…?フューニャ、何処だ?」
声をかけたが、フューニャの返事はない。
…一体何処にいるんだ?
「フュー…ニャ」
「…」
…いた。
フューニャは、何故か、俺の部屋にいた。
俺の部屋で、カーペットの上に座り込み、何かを見つめていた。
「何をやっ…!?」
数歩近づいて、フューニャが見つめているものが何なのか気づいた。
「そ、それは…!」
フューニャの周りには、数冊のそれが散らばっていた。
クローゼットの中に、密かに隠していたもの。
結婚してからは随分と疎遠になっていたが…捨ててはいなかったそれ。
独身男性なら誰でも持っている必須アイテムだが、大抵の女性からは嫌悪の目で見られる。
色々言ったが、つまりそれは。
…エロ本、と呼ばれる類のものだ。
フューニャが広げている本の表紙には、胸の大きな黒髪ツインテールの女の子が、セクシーと言うよりは破廉恥なメイド服を着て、ポーズを決めていた。
…気のせいかな。目眩がする。
俺の買い集めたエロ本コレクションを、フューニャは真顔でぺらぺら捲っていた。
「…あ、あの…。フューニャ…」
妻にエロ本がばれた全国の夫達に聞きたい。
かの勇者達は、一体どうやってこの修羅場を乗り越えたのだろう?
「それは…だな、その…」
結婚したときに全部処分しておかなかった過去の自分の愚かさを呪いながら、俺はなんとかフューニャの気を沈めようとした。
しかし。
「…悪かったですね、ルヴィアさん」
「はい…?」
刃のように鋭いフューニャの声が突き刺さった。
「…巨乳黒髪ツインテじゃなくて」
「…ごめんなさい」
俺はその場に土下座した。こうなったらもう、恥も外聞もない。
誠心誠意、心を込めて謝るだけだ。
フューニャはエロ本をぱたんと閉じ、汚らわしいものでも捨てるように床に放り投げた。
「こんなご立派なものがあるなら、私が相手する必要はありませんよね。今後は是非、このお宝で勝手に処理してくださいね。私は知りません」
「!フューニャ!」
「触らないでください、汚らわしい」
心底軽蔑したようなフューニャの目。
俺は必死になって、フューニャに謝罪した。
「悪かったフューニャ。捨てる、それ捨てるから。独身時代に集めたものだから…」
「あら。お宝じゃないんですか?」
「昔はお宝だったけど…。今は違う。そんなもの、もう必要ないんだ」
「…」
「フューニャの方が遥かに可愛いし、魅力的だ。だから結婚してからは一度も見てないし、存在も完全に忘れてた。俺はフューニャじゃなきゃ駄目なんだ。他の女なんて…全く眼中にないよ」
「…」
俺は必死に、フューニャにそう訴えた。
これは紛れもない事実であった。
「可愛い妻を遊びに連れていってください」とフューニャが言うので、朝に映画館に行って、それからレストランでランチをして帰ってきたのだが。
かなり良い雰囲気になったので、今夜はもう1ラウンドあるかな…なんて、ちょっとした期待もあった。
しかし。
「…ん?」
帰宅後、昼寝をしていた俺は、目が覚めたとき、妙に家の中が静かなことに気がついた。
…何?この静けさ。
嵐の前の…って奴?
何だろう。この妙な寒気は。
俺は立ち上がって、まずはフューニャの姿を探した。
「フューニャ…?フューニャ、何処だ?」
声をかけたが、フューニャの返事はない。
…一体何処にいるんだ?
「フュー…ニャ」
「…」
…いた。
フューニャは、何故か、俺の部屋にいた。
俺の部屋で、カーペットの上に座り込み、何かを見つめていた。
「何をやっ…!?」
数歩近づいて、フューニャが見つめているものが何なのか気づいた。
「そ、それは…!」
フューニャの周りには、数冊のそれが散らばっていた。
クローゼットの中に、密かに隠していたもの。
結婚してからは随分と疎遠になっていたが…捨ててはいなかったそれ。
独身男性なら誰でも持っている必須アイテムだが、大抵の女性からは嫌悪の目で見られる。
色々言ったが、つまりそれは。
…エロ本、と呼ばれる類のものだ。
フューニャが広げている本の表紙には、胸の大きな黒髪ツインテールの女の子が、セクシーと言うよりは破廉恥なメイド服を着て、ポーズを決めていた。
…気のせいかな。目眩がする。
俺の買い集めたエロ本コレクションを、フューニャは真顔でぺらぺら捲っていた。
「…あ、あの…。フューニャ…」
妻にエロ本がばれた全国の夫達に聞きたい。
かの勇者達は、一体どうやってこの修羅場を乗り越えたのだろう?
「それは…だな、その…」
結婚したときに全部処分しておかなかった過去の自分の愚かさを呪いながら、俺はなんとかフューニャの気を沈めようとした。
しかし。
「…悪かったですね、ルヴィアさん」
「はい…?」
刃のように鋭いフューニャの声が突き刺さった。
「…巨乳黒髪ツインテじゃなくて」
「…ごめんなさい」
俺はその場に土下座した。こうなったらもう、恥も外聞もない。
誠心誠意、心を込めて謝るだけだ。
フューニャはエロ本をぱたんと閉じ、汚らわしいものでも捨てるように床に放り投げた。
「こんなご立派なものがあるなら、私が相手する必要はありませんよね。今後は是非、このお宝で勝手に処理してくださいね。私は知りません」
「!フューニャ!」
「触らないでください、汚らわしい」
心底軽蔑したようなフューニャの目。
俺は必死になって、フューニャに謝罪した。
「悪かったフューニャ。捨てる、それ捨てるから。独身時代に集めたものだから…」
「あら。お宝じゃないんですか?」
「昔はお宝だったけど…。今は違う。そんなもの、もう必要ないんだ」
「…」
「フューニャの方が遥かに可愛いし、魅力的だ。だから結婚してからは一度も見てないし、存在も完全に忘れてた。俺はフューニャじゃなきゃ駄目なんだ。他の女なんて…全く眼中にないよ」
「…」
俺は必死に、フューニャにそう訴えた。
これは紛れもない事実であった。