The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーー…で、今に至ると。

「今朝もまだ不機嫌で…」

「そうか…。ちなみに、おはようと行ってきますのキスは?」

「あ、それはしました」

余裕じゃないかお前。

どうしよう…。ルヴィアが悩んでるのは確かなのだが、どうにも俺にはこの悩みが、惚気にしか聞こえない。

いや、でもルヴィアが悩んでいるのだからちゃんと相談に乗ってやらなくては。

それに、今回のは確かに修羅場と言えるかもしれない。

全国の男性達に通じる話だからな…。こういうことは。

夫が艶本を持っていることについて、気にしない女性もいるだろうが…。大多数の女性は、思うところがあるんじゃないだろうか。

「お前…。それは、捨てとくべきだったな。結婚するときに」

「そうなんですよ…。これは俺が悪かったです」

ルヴィアの良いところは、ここで「勝手に自分の部屋に入ってきて家捜しした嫁」を責めないところだな。

あくまで自分が悪いと。良い奴だなルヴィアは。

「またケーキ買うべきですかね…」

「うーん…。まぁ詫びはした方が良いだろうな」

「…許してくれるでしょうか?」

「どうだろうな…」

お前ら何だかんだ仲良いから、大丈夫じゃないかと思うが。

「…分かりました。じゃあ花でも買って帰ります」

「あぁ」

ルヴィアが、無事に奥さんに許してもらえますように。
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