The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
ちなみに、その人はシュノの部下の女性構成員なのだが。

こちらも非常に優秀な人間であり、この優秀な部下二人で第二支部を運営していくつもりだった。

だが、いざチンピラが責めてきて、彼女の出番というときになって。

運悪く、入院。

「本人は、無理をして自分が指揮すると言ってるそうだが…。病気の女性を無理矢理叩き起こして指揮させるなんて…シュノが許さなくてな」

「それはそうですよ…」

本来なら、本国の俺達を煩わせずとも、アシスファルトの第一支部が対応すべき案件ではあるが。

あちらもあちらで繁忙期であるらしく、とても手が回せる状態ではないとのことで。

結果、誰か別の人間を派遣しようということになり…。

シュノは、自分の部下のことなのだから自分が行くと言って聞かなかったが。

幹部本人が二週間以上本部を空けるとなれば、そちらの方が大事だ。

誰か部下に行かせた方が良いと、アシュトーリアさんやルレイアに説得され。

じゃあ部下を行かせよう…と、渋々シュノも納得した。

そこで問題になったのが、誰が行くのかということ。

色々話し合いをしたが、結果としては。

「ルレイアのところの部下と、ルヴィアに頼むことにした」

シュノは自分の部下に行かせたかったようだが、運悪く手の空いている者はおらず。

シュノと仲の良いルレイアが、自分の部下、兼ハーレムの会員に行かせますよ~、と言い。

でも一人だけでは、異国の地で、慣れない部隊で指揮するのは大変だろうということもあり。

もう一人誰かを派遣したい。ということで選ばれたのが、ルヴィアであった。

「成程…」

「済まんな…。行ってくれるか?如何せん、他に手の空いてる者がいなくて…」

「俺が行きますよ、ルルシー。俺なら手が空いてますから」

と、横で目をきらきらさせながら言うルレイア。

しかし、ルレイアは駄目なのだ。

「勿論、見返りはルルシーとの熱~いキスを…」

「却下」

こんなアホなことを言ってるから却下。

「ルルシーのいけず~!」

「いけずじゃない」

「そもそもルレイアさん、幹部ですから…。幹部クラスか派遣される案件じゃないですよ」

これにはルヴィアも苦笑いであった。

「ルルシーにキスしてもらう為なら、幹部でも何でも辞めますよ!」

「こんなことで辞めるな、馬鹿。とにかくお前はすっこんでろ」

ルレイアを強引に押し戻して黙らせる。ルレイアはいけず~とか言っていたが、無視だ、無視。

「頼めるか?ルヴィア。手が空いているとはいえ、お前も暇じゃないのは分かってるし、俺も気は進まないんだが…」

「大丈夫ですよ、ルルシーさん」

ルヴィアは、嫌な顔一つせず承諾してくれた。

「俺が行きます。任せてください」

「…悪いな。頼む」

本来なら、準幹部クラスが派遣される案件でもないのだ。

それなのに、快く引き受けてくれた。

全く、ルヴィアは得難い部下である。
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