The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
そして、翌週。

俺は予定通り、アシスファルト帝国の『青薔薇連合会』アシスファルト第二支部に向かった。

勿論、ルレイアさんの部下も一緒だ。

道中、俺はさりげなく…その女性に尋ねてみた。

「つかぬことを聞くが…君は、ルレイアさんの部下なんだろう?」

「はい、そうです」

「と、いうことは…その…。ルレイアさんとは、そういう関係で…?」

そういう関係ってどういう関係だよ、と思われるかもしれないが。

彼女はその言葉だけで充分に俺の質問の意図が分かったようで。

「…はい。ルレイア様には…とても良くしてもらっています」

まるで、宗教団体の教祖様でも崇めるかのように恍惚として。

いとおしげに、その名前を呼んだ。

「此度の遠征、私の功績次第では、一人でルレイア様の夜のお供をさせて頂くことになっておりますので…。ルヴィア様、向こうでの仕事は、私にお任せください」

「あ、う、うん…。はい…」

いや、俺も頑張りますよ、とは言えない空気だった。

聞いたか?今の。

功績次第で。一人で。ルレイアさんの夜のお供をさせてもらえる。

それが彼女達に与えられる「ご褒美」だとでも言うのか。

恐ろしきルレイア・ティシェリー。さすが幹部ともなると、次元が違う。

フューニャよ。この女性と浮気なんて、俺には無理だ。

ルレイアハーレムには、ピー百人の会員がいると言う。まさかその女性、全員がこの人みたいにルレイアさんの専属奴隷になっているのか。

そう思うと、俺はあまりの恐怖に身震いした。

俺はたった一人の嫁にさえ、尻に敷かれているというのに…。

しかしよく考えたら、一番恐ろしいのは。

ルレイアさんと言うよりは、そのルレイアさんに唯一首輪をつけられる、俺の直属の上司だということに気づき。

ルルシーさん、よくあんな…狂犬どころか、怪物じみた男を相棒にしていられるなぁ、と。

俺は改めて、自分の上司の懐の広さを感じた。
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