The previous night of the world revolution2〜A.D.〜

sideルルシー

ーーーーーー…もう何度も何度も、飽きるほどに繰り返してきたことだが。

「ねーねールルシー。カラオケ行きましょうよ~カラオケ。俺とデュエット~」

「…お前。仕事しろよ」

何でいるんだ。何故この部屋に来るのが当たり前になってんだ。

生まれ持った真面目さと勤勉さを何処に忘れてきたんだお前は。帝国騎士の制服のポケットだろうか。

「あと今晩の夕飯はオムライスが良いな~。ルルシー、あーんして食べさせてくださいね~」

「引っ付くんじゃねぇ。邪魔だ」

はぁ、全くこいつをどうしたものか…と思って顔を上げると。

ルヴィアが、あ、ルルシーさんも大変なんだなぁ…みたいな顔でそこに立っていた。

…お前も大概だけどな。

「…どうした。ルヴィア」

「あ、いえ…。これ…急ぎではないんですけど、サインお願いします…」

「…分かった」

横で俺にくっついてもふもふしているルレイアは無視して、俺はルヴィアが持ってきた書類にサインした。

その間ずっと、ルヴィアはちらちらとルレイアの方を見ていた。

そりゃ上司の横にコアラみたいにくっついてる奴がいたら気になるだろう。

すると。

「…あの。ルレイアさん」

ルヴィアは、ルレイアに声をかけた。

「何ですか」

「…実は、ちょっと質問があるんですけど…良いですか」

「俺に答えられることなら」

ルヴィアがルレイアに質問?一体何の…と思ったが、考えるまでもなかった。

ルヴィアの悩み、相談事と言えば。

「…スマートに女性をベッドに誘うには、どうしたら良いんでしょう」

とんでもなく不躾な質問だが、ルレイアは真顔であった。

「そうですね…。まずは雰囲気作りです。オリエンタルな香水をつけて、エロフェロモンを飛ばして相手を誘惑する。こうやって、頬にそっと手を当てて腰に手を回し、愛の言葉を囁いて…」

ルレイアは真剣そのもので、俺の顔と腰に手を伸ばして実演。

俺でやるな馬鹿。

「と、いう一連の動作を自然体で。ホテルが近い場所でやると良いですよ。その雰囲気のままベッドイン出来るので」

「あ、いえ…。俺が誘いたいのは嫁なので」

だろうね。

「なぁんだ、嫁…」

嫁と聞いて、ルレイアはつまらなさそうに脱力した。
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